2024年8月18日、福岡市西区のアウトレットモール「マリノアシティ福岡」が、多くの買い物客に惜しまれながら最後の営業を終えた。

九州初のアウトレットモールとして開業

最終日、午前10時の開店を前に入り口付近にできた長蛇の列。多くの人がオープンを待ちわびていた。「お待たせしました。開店です」扉が開けられる。同時に店内には大勢の買い物客が詰めかけ、“最後”の買い物を楽しみ始めた。

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マリノアシティ福岡は、福岡市西区の博多湾沿いに2000年に開業。これまで24年間、九州初のアウトレットモールとして多くの人に愛されてきた。しかし建物や設備の老朽化などにより閉館。この日が最後の営業日となった。訪れた人たちからは、惜しむ声が多く聞かれた。

「結婚する前にデートで来ていました」

「なくなるのイヤだ」と話す小学生。一緒に訪れた母親も「ねー、寂しいね。これからどこで買い物とかご飯食べたらいいんだろうって思うよね」と相づちを打つ。また家族で訪れていた女性は「結婚する前から来ていました。主人とのデートで…。なくなるのは寂しいですね。(いまは大分に住んでいて)きのうから福岡に泊まっています。このために(笑)」と懐かしむ。

敷地内の約130の店舗では、最大90%オフの最終セールが行われていた。買い物だけではなく、子どもたちの大切な遊び場でもあったこの場所。最後に遊具で遊んだり、ランドマークである観覧車に乗ったり、親子で思い思いに楽しむ姿が見られた。

いよいよ営業終了の時間が…

そして日は沈み、いよいよ営業終了の時間が訪れる。池上英樹支配人が「マリノアシティ福岡が、皆さまの思い出のひとつになっていたら幸せでございます。24年間、本当にありがとうございました」と営業最終日を告げる。スタッフ一同も感慨深げに頭を下げた。

最後の挨拶には多くの人が駆けつけ写真に収めるなど最後の別れを惜しんでいた。

「ここで、ふたりで働いてたんで、なんか悲しいですね。最後の最後までありがとうって」と語る男性の2人組。

「観覧車でプロポーズの代わりにちょっと歌をプレゼントしたりとか。ここは他の所よりは、ちょっと違う思い出があるかな」と語る夫婦。また「ちょっと、“うるっ”ときた」と目頭を押さえる女性もいた。

マリノアシティ福岡の池上支配人は「24年間、営業できたのも継続ができたのもご来場した皆さまとここで働かれたスタッフさん含めてですね、すごく皆さまのおかげだと本当に思っています」と話す。

幅広い世代の人々に愛されたマリノアシティ福岡。今後は、運営する福岡地所が三井不動産と共同で新たな商業施設を建設することになっている。

(テレビ西日本)

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