明日16日、非常に強い勢力で関東に接近する恐れのある台風7号。お盆休みの交通機関や夏のイベントなどでは早くも混乱が広がっていて、台風が最接近する前に、“1日前倒し”で帰宅の途へ着こうとする多くの人が、交通手段確保のために奔走していたーー。
「明日の便に出る予定だったんですけど…」
お盆休み真っ只中の日本列島。
今日15日の取材先で盛んに聞かれたのは、次のような言葉だった。

「明日の便に出る予定だったんですけど、1日早めて…」
「早く戻ってきました」
「まあ…前倒し」

強い台風7号は、さらに勢力を強めて、明日16日午後にも関東に再接近する見通しで、そのタイミングがお盆のUターンラッシュと重なる中、新幹線の運休が相次いで発表された。
東海道新幹線は明日16日の東京ー名古屋間が終日運休で、東北・上越・山形の各新幹線も一部が運休となる。
15日正午頃の東京駅では、すでにこの時間、前倒しでの帰宅組が多く目についた。
帰省先の愛知県から1日早く帰ってきたという家族は、「もう土曜日から仕事なので、絶対帰ってこなきゃいけなくって。予約取るのはすごく大変でしたね。やっと見つけて、唯一取れたんですけど」と話すと、子どもは「もっと遊んでいたかった」と残念そうな表情だった。
東京に住む祖父母に会いに来たという、中学2年生の女の子も、1日前倒しで静岡に帰ることになり、「もう来年受験になっちゃうから」「今年しか遊べなかったからね」「台風来ないで欲しかった」と肩を落とした。
一方、大急ぎで予約の変更をしようとする人々が詰めかけていたのは午前10時頃の島根県のJR松江駅。朝から「みどりの窓口」には行列ができていて、その多くが関東方面への移動を今日に前倒ししようという人たちだった。
その一人、東京から帰省していたという男性は、「16日(明日)に米子か出雲(空港)の羽田(行き)の飛行機で帰ろうと思ったんですけど、欠航になったらしくて…」と話す。

明日16日は空の便も羽田・成田空港発着の国内線だけでANAが281便、JALが281便の合計560便以上が欠航することが決定。そのため、急きょ鉄道での移動に切り替えたものの、窓口は混雑が激しかったため、男性は「今来てみたら、こう(大行列)です。まあ、しんどいですね」と疲れた表情を見せた。
電話2時間待ち、八丈島から10時間以上の旅も
一方、羽田空港の到着ロビーで出会ったのは、福岡から帰ってきたという野口さん親子。
花火大会などを満喫し、東京に戻るのは明日16日の予定だったが、台風の接近を受け予定を変更したという。

ところが、帰りの便を前倒ししようと一昨日13日にコールセンターに電話したところ、「問い合わせをしたら、コールセンター2時間待ちで、(電話代)400円以上かけて、やっと繋がって変更できた。もう繋がらなくて、それが一番大変だなって」と振り返った。
そして、一足早く雨と風が強まり始めた伊豆諸島の八丈島の客船ターミナルには、東京都心に向かう人々の列ができていた。
「シュノーケリングでウミガメを見た!!」と子どもが嬉しそうに話す家族にとっても、船での帰りは想定外で、「今日は帰りの飛行機を夕方の便で取ってたんですけど、欠航になっちゃったんで、急いで船で帰ることにしました」と話していた。

羽田行きの空の便は15日午後から欠航し、船は予定通り運行するものの、飛行機なら50分程度のところ10時間以上もかかる。
それでも、港を出る船のデッキで手を振る人々は、どこか安堵しているように見えた。
(「イット!」 8月15日放送より)