特定外来生物に指定されている「チャネルキャットフィッシュ」(通称アメリカナマズ)が6月下旬、北海道内で初めて確認されたことが明らかになった。

アメリカナマズが確認されたのは、江別市中島の篠津川と石狩川の合流する付近である。
釣り人の通報と調査結果
環境省によると、6月23日に釣りをしていた男性が全長40~50センチのナマズ1匹を釣り上げてリリースした。

男性はヒゲの本数や尾びれの形状からアメリカナマズの可能性があると考え、翌24日に環境省に通報し、撮影していた写真を提供した。

環境省は外来生物を専門とする東京の民間会社に調査を依頼。
その結果、ヒゲが在来種より4本多い8本であり、尾びれが「く」の字型、体色が灰色で側面に黒点が複数確認されたことから、アメリカナマズの成魚であることが判明した。
北海道内でアメリカナマズが確認されたのはこれが初めてであり、侵入経緯は依然として不明である。
アメリカナマズの背景と国内での影響
アメリカナマズは北米原産で、養殖用として1971年にアメリカのカリフォルニアから日本に初めて輸入された。
国内ではこれまで阿武隈川水系や利根川水系、琵琶湖などで生息が確認されており、養殖されていた茨城県霞ケ浦では、ワカサギやテナガエビなどを捕食し、漁網に引っかかったヒレの鋭いトゲで漁業者がケガをする被害が報告されている。
このため、2005年6月1日に特定外来生物に指定された。
北海道の生態系への懸念
アメリカナマズはさまざまな動物を捕食する上位捕食者であるため、北海道内ではカワシンジュガイやヤツメウナギなど在来種や生態系への影響が懸念されている。

環境省北海道地方環境事務所野生生物課は「入れない・捨てない・拡げない」という外来種被害予防3原則の徹底を呼びかけており、釣り上げた場合、その場で殺処分を行い、持ち帰って情報提供するよう訴えている。