札幌市の当時中学1年の女子生徒がいじめを受け、不登校になった原因が学校の対応の不十分さにあるとして、生徒側は市に対して損害賠償を求める訴えを起こした。
被害訴えるも「許してあげて」
訴えによると、2020年7月頃、女子生徒はクラスメイトの男子生徒から「豚まん」などとからかわれた。
さらに、卒業アルバムの顔写真に中傷するコメントを付けた動画がSNSで拡散された。
男子生徒は「肉まんなら、いつでもあげます」と書き込んでいた。
しかし、相談を受けた担任は加害生徒に指導を行わず、逆に女子生徒に対して「仲良くできるように許してあげなさい」と指導した。

学校ではいじめが発生した場合、第三者を交えた「いじめ対策委員会」を設置することになっていたが、今回は設置されなかった。
また、いじめによる不登校が30日を超えた場合、「重大事態」として扱われるべきところ、学校の認定は約1か月遅れた。
「不適切な対応」だとして 市に対し訴えを起こす
生徒は不登校のまま卒業し、学習のサポートも十分ではなかった。
女子生徒は学校の不適切な対応により、学習や人格形成の機会を失ったとして、札幌市に対して550万円の損害賠償を求めて訴訟を提起した。
市は「訴状が届いたら内容を確認して対応を検討していきたい」とコメントしている。
悩みがあれば「子ども相談支援センター」に相談を
北海道教育庁では、悩みを抱える子どもたちのための相談窓口として「子ども相談支援センター」を開設している。

電話番号は0120-3882-56で、24時間匿名で利用可能だ。
いじめなどについて悩みがある場合、1人で抱え込まず、まずは相談することが重要だ。