住民の生命と財産を守る消防業務を担う、宮崎県北部にある西臼杵広域行政事務組合消防本部がパワハラ問題で揺れている。40代男性職員による部下へのパワハラが判明し、組合議会は百条委員会の設置を検討している。さらに3年前には職員が意見書を提出していたことも判明した。

百条委員会の設置を検討

西臼杵消防本部によると、2024年6月、高千穂町の飲食店で消防司令補の40代男性が30代男性職員に対し、人格を否定するような暴言を吐いたという。

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消防司令補の男性は1カ月の停職処分を受け、部下の男性は退職した。これを受けて消防本部は、高千穂町と日之影町、五ヶ瀬町の町議会議長などあわせて10人で構成される「組合議会」に今回の経緯を説明した。

議会は、ハラスメントの実態調査や再発防止策を審議するため、8月上旬に臨時の議会を開き百条委員会の設置を検討することになった。

「妻や彼女の容姿をブスなどと馬鹿にする」

こちらは、テレビ宮崎が入手した3年前に西臼杵消防本部の職員や退職者12人がまとめたハラスメント被害を訴える意見書。

その中には、「訓練中、頭を叩かれたり尻を蹴られていた。他の職員がやられているのも見かけたが、意見すると暴言や暴力がひどくなる為、何も言えなかった」「他の職員の妻や彼女の容姿をブスなどと平気で馬鹿にする」などと書かれていた。

意見書はA4用紙13枚にも及んでいる。

意見書を書いた元職員の1人によると、文書は消防長などに提出したものの、その後もパワハラは続き、2016年から2024年までに20代から40代の6人が退職したということだ。

13人がハラスメント受けた回答

西臼杵消防本部によると、2023年夏に行ったハラスメントに関するアンケートでは、13人が「ハラスメントを受けた」と回答し、その内容のほとんどが、「パワーハラスメント」だったという。

アンケートの結果について、西臼杵広域行政事務組合の管理者である高千穂町の甲斐宗之町長は、「過去のハラスメントに関しても心の傷を引きずっている職員がいることも明確に把握した。百条委員会の設置をして、調査結果に対して適切な対応をとり、若い世代に選ばれる職場環境を目指していきたい」とコメントしている。

(テレビ宮崎)

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