北朝鮮は、ロシア人の子供たちを夏キャンプに招待した。過去に参加したロシア人からは、体重が5kg減少したという証言もあった。今回のキャンプは、プーチン大統領と金正恩氏の関係強化を示すための一環と考えられる。

子供たち250人招待…終了後「5kg痩せた」の証言も

北朝鮮で行われた夏キャンプについて、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。

青井実キャスター:
韓国とは敵対姿勢を強める北朝鮮ですが、一方でロシアとますます近づいているようですね。

キャンプの参加したロシアの子供たち
キャンプの参加したロシアの子供たち
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立石修解説委員室長:
北朝鮮は、ロシア人の子供たち250人を夏休みのキャンプに招待しました。集合写真には、ロシア国旗をもった少年少女たちが写されています。撮影場所はロシアの空港で、24日にキャンプの入所式も行われたとのことで、北朝鮮の子供に先導されてロシア人の子供たちが行進しています。

ソンドウォン国際少年キャンプ場のプール
ソンドウォン国際少年キャンプ場のプール

立石修解説委員室長:
ソンドウォン国際少年キャンプ場は、北朝鮮と友好関係にある国の子供たちの受け入れを行っていて、大型プールや水族館もある非常に大きな施設です。

青井キャスター:
金正恩氏とプーチン大統領が接近していることを受けてのことと考えられますが、子供たちにとっては楽しそうな施設ですね。キャンプの内容は、どういうものですか?

キャンプ場の建物
キャンプ場の建物

立石解説委員室長:
北朝鮮側によると、料理コンテストや運動会、テコンドー教室なども開かれる予定とのことで「友情と思い出」を深めるものとしています。一見、普通の子供キャンプのように見えます。

しかし、イギリスのデイリーメール紙などが報じた子供時代にキャンプに参加したロシア人やロシア国籍を持つ人の話によると、全く別の側面も見えてきました。

金日成氏と金正日氏の銅像
金日成氏と金正日氏の銅像

立石解説委員室長:
キャンプでは、朝6時に起きてキャンプ場にある金日成氏と金正日氏の銅像を磨くことから始まります。

参加者によると、食事は米とジャガイモとスープの可能性が高いと証言しています。遊びは、戦車に乗ったハムスターのキャラクターが、ホワイトハウスを破壊するゲームをやったということで「奇妙なゲームだった」と証言しています。終了後には、参加者の体重が「5kg痩せていた」と証言している人もいました。

教育や思想で結びつきをアピールか

青井キャスター:
これは、ただの「友情と思い出作り」のキャンプではないですよね?

露朝首脳会談の様子
露朝首脳会談の様子

立石解説委員室長:
そうですね。実は、6月の露朝首脳会談でプーチン大統領が、今回のキャンプにロシアの少年少女を送ると、金正恩氏に約束したとのことです。

イギリスのテレグラフ紙によると、子供たちを北朝鮮に送ることを不安視する親がいたにも関わらず、プーチン氏の息のかかった青年組織の代表が積極的に進めたという。経済軍事面で接近している両者が、教育や思想でも結びつきが強いことをアピールする狙いがあると思われます。
(「イット!」 7月25日放送より)

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