7月から小売店でのレジ袋の有料化が義務づけられ、エコへの意識が高まっている。
こうした中、コカ・コーラシステムは、8月3日からペットボトルのお茶「綾鷹」「爽健美茶」、無糖炭酸水「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」、いずれも1ケース24本入りの「ラベルレス」商品3種類をオンライン限定で新たに販売を始めた。
ラベルレス商品とは、ペットボトル飲料の商品名や原材料名などを記したラベルをなくした商品のこと。今年4月1日の資源有効利用促進法省令改正により、従来は「刻印」とラベルによる「識別マークの表示」が必要だったが、外装ダンボールに記載することでラベルを省略する事が認められた。
同社は、4月1日からラベルレスのミネラルウォーター「い・ろ・は・す 天然水」を販売しており、この度さらに商品を拡充することとなった。
なぜ今「ラベルレス」が注目されるのか?
日本コカ・コーラによると、新型コロナウイルスの影響で「容器入り飲料(RTD)」の家庭内消費量が増加し、今年上半期のネット通販におけるRTD市場全体は昨年比30%以上伸長したという。
こうした背景もあって、4月から発売したラベルレスのミネラルウォーターも売り上げを伸ばしているというのだ。
環境に優しいという理由に加えて、同社が全国の20代~50代の男女400人を対象にしたコロナ禍のゴミ分別についてのアンケートでは、「ラベルレス」が注目されるさらにもう一つの理由が見えてくる。(調査期間:4/28~29 インターネット調査)
まず、「外出自粛前に比べ、ゴミ分別のストレスは増えたか」という質問では、約7割が「増えている」と答えている。また、新型コロナの外出自粛で在宅勤務になった人と、従来から在宅勤務の人を比べると、新規組の方がストレスを感じている傾向が高い。
そして、「ゴミの分別において、ストレスだと感じること」という質問に対して、1位「段ボールをつぶして、まとめる」(24.0%)に次いで、同率2位は「ペットボトルのラベルはがし」(22.5%)。男女別にみると、男性の1位となっているのだ。
使用済みペットボトルを、より簡単に資源回収に出すことができる。自宅で過ごす時間が増えた人々がゴミの分別によるストレスがないラベルレス商品を求めているという一面があるのだろうか?
日本コカ・コーラの担当者に聞いてみた。
予測の1.5倍 売れている
――「ラベルレス」商品は予想したより売れている?
当初予測の1.5倍で推移しております。
――「ラベルレス」の売り上げが伸びた要因は?
「ストレスなく分別し分別しやすい」「ごみが少なく、エコ」なども「い・ろ・は・す ラベルレス」が評価された要因と考えております。
「ラベルがあった方がいい」という意見はなし…その理由は?
――逆に、ラベルがあった方がいいという声はなかった?
そうしたご意見は特にございません。ラベルのある製品を好まれる場合には、ラベルありの製品を購入されていると推測されます。
――ラベルレスの新商品に、お茶と炭酸水を選んだのはなぜ?
ネット通販においては、お茶、水、炭酸カテゴリーが全体の約半分を占めております。また、我々の調査結果やデータなどからこの3製品のラベルレスに対する消費者のニーズが高いと判断し、今回の3製品の発売に至りました。
――ラベルレス製品は今後も増える?
今後の展開につきましては、消費者のニーズ、要望をもとに検討していきたいと考えております。まずは、新規で導入したこの3製品の販売拡大に注力いたします。
ケースごと購入するお気に入りの商品であれば、ラベルがないからといって間違えるという不満はないのかもしれない。
今やほとんどの人が「ゴミの分別」を当たり前のように行っている中で、こうしたひと手間をなくした商品は今後さらに支持されていくのだろうか。
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