インドを代表する三大財閥の一つ「リライアンス」のムケシュ・アンバニ会長の次男、アナント氏の結婚式が、7月15日に幕を閉じました。

アメリカの「フォーブス」誌によると、ムケシュ・アンバニ会長は純資産18兆円超え、2023年のアジア長者番付で1位となった超大金持ち。
世界の名だたるセレブを招待し5カ月に及んだ結婚式の費用は、950億円以上と報じられています。

新婦は、世界的医薬品会社アンコール・ヘルスケア社を創設した富豪の娘 ラディカ・マーチャントさん。

そんな2人を祝福するため、政界や財界エンターテインメント界やスポーツ選手、さらに実業家など多くの世界的な著名人が出席し、その中には、フェイスブックの親会社「メタ・プラットフォームズ」のCEOマーク・ザッカーバーグ氏や、マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏、イギリスのジョンソン元首相など、日本でも広く名前が知られる人物たちの姿もありました。

会場では音に合わせ大人数で踊る場面も見られ、まさに“インドらしい”とも言える結婚式に…。「めざまし8」は、結婚式に出席したミュージシャンを取材、絢爛豪華な式の全容を聞きました。
まるで“おとぎの世界”「都市を造ったような」
ミュージシャン兼ファッションデザイナー
レイザック・アウィル氏:
連絡が来たのがちょうど式の1週間前で、ケニアからインドに向かったのが9日の夜でした。

そう話すのは、結婚式での演奏を依頼されたというケニア在住のミュージシャン、レイザック・アウィル氏。

飛行機はビジネスクラスで、滞在先は高級ホテルとVIP待遇。さらに、結婚式の会場、ムンバイのコンベンションホールに足を踏み入れると、そこはまるでおとぎの世界のようだったといいます。

レイザック・アウィル氏:
規格外で、本当に驚きました。
コンベンションセンターの中には、まるで都市を造ったような感じで滝が流れ、大きな白馬が歩いていたり、機械仕掛けの象やクジャクがいました。
食事に関してはすごく長いテーブルが置かれて、いわゆるビュッフェスタイル。別のエリアには、招待客が買い物できるショッピングゾーンもありました。
ゲストにはレイバンのサングラスが配られ、お酒が楽屋に置いてありました。

また、海外メディアによると、VIPクラスの来賓には、1500~2000万円相当の超高級ブランドの腕時計が配られたといいます。

過去には世界的アーティスト、コールドプレイやビヨンセなども出演したことがあるという、豪華すぎるアンバニ一族の結婚式。

しかし、インドでは経済的格差が大きな問題となっており、市民からは豪華な結婚式への批判の声も…。

市民:
何を見ればいいんだ?金持ちの結婚式には偉い人たちが出席している。インドには貧しい人もいる、困っている人たちを見てくれ。

また会場付近の道路が4日間にわたり封鎖され、大渋滞も起きているといいます。
豪華“すぎる”な結婚式の理由
なぜ、ここまで巨額の費用をかけて結婚式を行うのでしょうか?インドの文化に詳しい、大阪観光大学の佐久間教授は、その理由をこう話します。

大阪観光大学 佐久間留理子教授:
インド人にとって結婚式は、「人生にとって一番」といっていいくらい大事な行事です。正式にこれを行いますと、数日から1週間はかかるくらいの非常に大きなものです。

そもそも、一般市民でも、結婚式に長い期間と多額の費用をかけるというインド。それが財閥ともなると、想像を超える規模になるのです。

大阪観光大学 佐久間教授:
婚礼の第一の目的は、世間に広く結婚の事実を知らせることです。今回900憶円使ったという事ですが、それは財閥の力を見せつけようと大金を使ったのではないかと思われます。
(めざまし8 7月16日放送)