7月7日、長野県岡谷市で車内に閉じ込められた乳幼児2人が熱中症の疑いで救急搬送された。閉じ込めの原因は、鍵を車内に残したままロックがかかってしまう「インロック」。危険な暑さが続く中、どう注意すれば良いのか消防とJAFに聞いた。
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鍵を車内に置いて離れる… 子どもが誤ってロックしたか
県内各地で「猛暑日」となった7日。午後2時ごろ、岡谷消防署に通報があった。
「子どもが車内に閉じ込められている」
岡谷市の屋外駐車場の車の後部座席にいたのは、2カ月の男の子と1歳9カ月の女の子。車はロックがかかっていて鍵は車の中に。いわゆる「インロック」状態だった。
両親はエンジンをかけて2人を乗せ、別の子どもを乗せようと車から少し離れた間に、子どもが中から誤ってロックしたとみられる。

消防が助手席の窓を割って救出
諏訪広域消防本部 救急係・五味五代係長:
「(子ども2人は)かなり回数の速い呼吸をしていて、かなり汗をかかれていたというところで緊急であると」
消防はすぐに助手席の窓を割って救出。エンジンはかかっていたが、車内の冷房はほとんど効いておらず、1歳女児の体温は37℃、2カ月の男児は38℃台になっていた。通報から救助まで約30分。2人は病院に搬送されたが幸い、軽症だったという。
諏訪広域消防本部 救急係・五味五代係長:
「インロックになってしまったという時には、迷わず、今回のように消防に通報していただく。周りにもそうですが、助けを求めていただくというのが一番」

基本は「子どもを車内に残さない」
こちらは日本自動車連盟JAFの実験。
気温35℃の日なたにエンジンを切った車を放置すると、25.5℃だった車内の温度はわずか5分で35℃を超え、10分後には38℃近くまで上昇した。
熱中症の事故を防ぐにはまず、子どもを車内に残さないことが重要。
JAF長野支部・高山祥さん:
「サンシェード対策とか窓を少し開けるということをしていても、かなり温度が上がってしまうので短時間であっても、必ず子どもは残さないというふうにしていただければ」

「インロック」の原因は…
岡谷市の事案は「インロック」が原因だった。JAFによると、近年は「電子キー」が普及し以前よりは減ってはいるものの過去2カ月間の出動は県内だけで373件に上っている。
今回のように、鍵を車内に置いた状態で車内の子どもが中から誤って鍵をしてしまう、トランクの荷物の出し入れをしている時に鍵をトランクの中に置いたまま閉めてしまう、電池の残量が少なくって勝手に作動してしまうなどのケースが多いという。

インロックを防ぐには…「常に鍵を携帯」
インロックを防ぐためにはー。
JAF長野支部・高山祥さん:
「鍵と一緒に、荷物も含めて『一緒に乗車、一緒に降車』というのを基本に行動すれば、こういったトラブル、ヒューマンエラーが少なくなると思う」
また、スペアキーを持ち歩くことも対策の一つということだ。
暑さはこれからも続く。特に小さい子どもがいる家庭では注意が必要だ。

(長野放送)