山形市出身の15歳の男性が、世界レベルのバレエダンサーを目指し、ドイツ留学を始めた。彼の夢は、バレエ団のトップダンサー「プリンシパル」になることだ。
名門校に入学 単身でドイツ留学へ
山形市のバレエスタジオで汗を流すのは、山形市出身のバレエダンサー・山本海理(かいり)さん、15歳。山本さんは、2023年に若手バレエダンサーの登竜門とされる国内の大会で入賞を果たすなど、数々の賞を受賞してきた。
この記事の画像(10枚)その才能が認められ、2024年、世界的な名門バレエ学校の1つ、ドイツの「ジョン・クランコ・バレエスクール」に、学費免除で入学できることになった。
本来は高校に進学する年齢だが、バレエの道に進むため、2024年4月から単身でドイツ留学を始めた。
山本海理さんは、「日本とは全然違う踊り方、顔のつけ方も全然違うのでとても難しかった。『まだ基礎が足りない』とそこで思い、ドイツのジョン・クランコ学校で基礎を固めたいと思い、留学を決めた」と語る。
学校の休みを利用して一時帰国していた山本さんに、ドイツでの寮生活の様子を聞いてみると、「日本と食事も言葉も全然違うので時々苦戦したりするが、海外の友達も増えて英語を教えてもらったり、仲良く接してくれたりするので生活しやすい」と話してくれた。
一方で、「海外の人はスタイルが良くて身長も高い。少し嫌になってしまう時もある」と悩みも抱えているという。しかし、「そこをカバーできるような踊りにしていきたい」と語ってくれた。
指導者が見抜いた3つの“武器”
山本さんがバレエを始めたのは4歳の時。きっかけは双子の妹・愛梨さんが習い始めたことだった。山本さんは、「6年生くらいから大会でもだんだんいい結果が出るようになってきて、プロを目指してみようかなと思った」と当時の心境を語ってくれた。
これまで山本さんを指導してきた「シグナスバレエスタジオ」の鈴木栄美先生は、ダンサーにとって必要な素質を見抜いていた。
鈴木先生は山本さんについて、「“回転力の感覚”、“つま先のきれいさ”は抜群だと思う。そして“しなやかさ”も持っている」と話す。
女性ダンサーにも全く引けをとらないという“しなやかさ”と“柔軟性”に加えて、山本さんの持ち味の一つが“回転力”。これだけ回ってもブレない体幹の強さが大きな武器だ。
そんな山本さんと一緒に練習する後輩の河田桜太郎さんは、「久しぶりに会って、5番(バレエのポジション)もすごくきれいになっていて、ドイツでの修行の成果が出ているのかなと感じた。目標に向かって努力している先輩なので尊敬するし、僕も何かに向かって努力する姿勢を持ちたい」と話してくれた。
目指すのは“トップダンサー”
ドイツ留学は最低でも1年間。今後、課題とするジャンプ力も向上させ、世界レベルの実力をつけたいと話す山本さんに現在の目標を聞くと、「日本のバレエ団に入って、プリンシパル(トップダンサー)になって、色々な踊りをたくさん踊りたい。物語を自分の身体で表現して、皆を楽しませられるようなダンサーになりたい」と語ってくれた。
夢に向かって踊り続ける15歳の挑戦は、始まったばかりだ。
(さくらんぼテレビ)