自治体でも広がる「カスハラ対策」。客からの著しい迷惑行為や悪質なクレームなどのカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」。長野県の佐久市役所では、6月から名札のフルネーム表記を廃止した。
名札のフルネーム表記を廃止
佐久市役所2階の市民課の窓口。職員の名札には名字だけが表記されている。
佐久市総務課の森下慶汰さんは「6月から(名札の)顔写真は廃止して、名字のみの表記とした。職員の個人情報の保護などの目的で変更しました」と話す。

全国の自治体でも対策に乗り出す
社会問題となっている客からの著しい迷惑行為や悪質なクレームなどの「カスハラ」。飲食店や介護施設だけでなく全国の自治体でも対策に乗り出している。
佐久市では5月まで、名札に顔写真・フルネームを載せていたが、「SNSなどで検索される」といったことを防ぐため所属と名字のみに変更した。これまでカスハラの被害は確認されていないが、職員から要望もあったという。
職員は「職員が安心して業務を進められればいいかなと思う」「SNSって怖いものだと思うので、下の名前は表記しない方が被害も少なくなると思う」などと話す。

長時間のクレームや土下座の要求も
こうした動きは他の自治体でも広がっていて、県や長野市も今年度から同じような取り組みを行っている。
7月から始める松本市。先日の会見で臥雲市長は「特定の職員の対応に要求する、長時間のクレームや居座りによって職員を拘束する、度を越えたクレーム、大声での恫喝や暴言、土下座を要求されることもあった」など、実際にあった「カスハラ」の被害の例を挙げた。
市長は「理不尽な言動やクレームに直面する機会はできるだけ少なくしていく」と述べ、対策を講じるとしている。

(長野放送)