暑さ対策のため、ここ数年で中学校の体育大会の開催時期が変わってきている。宮崎市教育委員会に話を聞いたところ、その変化は明確だった。春開催は、学年が始まったばかりの時期。秋開催は、春よりも気温が高い。それぞれのメリット、デメリットを考慮して、小中学校はそれぞれの判断で開催時期を決めている。
体育大会は 春・秋どちらが主流?
宮崎市には公立中学校が25校あり、2020年度の体育大会は9月開催が23校、10月開催が2校だった。それが熱中症対策やコロナの影響で行事内容の見直しがあり、2022年度は9月開催が9校、10月開催が4校、そして5月に開催する学校が12校も出てきた。(開催時期については各学校で判断)
この記事の画像(6枚)さらに2024年度は5月開催がさらに増えて19校、9月開催が6校。この4年間で、多くの中学校が9~10月に開催していた体育大会を5月に変更したということになる。
5月開催と秋開催の違いは?
宮崎市の大宮中学校は、夏の暑さ、熱中症対策のため2023年から体育大会の開催時期を9月から5月に変更した。開会式では、生徒はテントの中に着席していた。入場行進もなかった。
また、団対抗ではなくクラス対抗で、応援合戦なども一切ない。クラス対抗にすることで、1学期がスタートして間もない時期にクラスのまとまりをつくる目的がある。
生徒会長・蛯原ゆりあさん(3年):
実行委員長らがまとめてくれてクラスの士気が上がっている
実行委員長・待鳥凌空さん(3年):
5月開催になって練習の時などに熱中症で保健室に行く人はいなかった
生徒たちはテントの中でも帽子をかぶっていた。さらに救護エリアには細かな霧を噴射するミストが準備されていた。
熱中症対策は万全…という印象だ。宮崎市教育委員会は、学校だけでなく家庭での熱中症対策を呼びかけている。
宮崎市教育学校教育課・道久綾指導主事委員会:
家庭でも自分の命は自分で守る話をしてもらい、体調の変化などがあれば学校に伝えていただけるとありがたい
5月と9月で、気温はどのくらい違うのか?酒井晋一郎気象予報士によると、宮崎では平年の最高気温の平均は5月が24.6度なのに対し、9月は28.5度と4度もの差がある。
暑さ対策以外のメリットも
暑さ対策以外にも、メリットがあるようだ。大宮中学校の黒木校長によると、5月に体育大会をすることで、秋以降に集中していた学校行事に余裕が出るという。実際に2024年は、体育大会がなくなった9月に、これまで12月だった修学旅行を実施した。
小学校は10月開催が主流
小学校は、少し事情が違うようだ。宮崎市の公立小学校は全47校中、5月開催が2校、10月開催が45校と、圧倒的に10月開催が多くなっている。入学したばかりの1年生がいるため、体力的な部分と学校への慣れの点から5月開催では早すぎるとのこと。
視聴者のみなさんからの声
小林市50代女性 みるままさん:「孫の小学校は春になった。暑いと言ってもそこまでなく気持ちいい体育大会だった」
国富町40代男性 富瑞祥吉さん:「秋は、お弁当のおにぎりが「新米」。春だと新米のおにぎりが食べられない。県南は「伊勢エビ」を持って行くとか」
都城市30代女性 ももりさん:「春がいい!私の通っていた高校は、5月に体育祭があった。新しいクラスになったばかりで一気にクラスの団結力が生まれる。また、いろんな人と仲良くなれる!」
中学校は5月開催、小学校は10月開催が主流になってきているが、いずれにしても家庭内で「自分の命は自分で守る」意識づけをして、体調が悪い場合早めに先生に伝えるなど、熱中症を防いでいくことが大切な事には変わりない。
(テレビ宮崎)