34地点で35度以上の猛暑日を観測

8月7日も、厳しい暑さに見舞われた日本列島。全国921地点中、実に7割以上となる678地点で気温30度以上の真夏日、そのうち34地点では35度以上の猛暑日となった。

この暑さに街の人は…

男性:
マスクに熱がこもってすごく外したいです

女性:
熱中症が心配…

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さらに全国で2020年6月1日から7月26日までに熱中症で救急搬送された人の数は、異例の長梅雨だったにも関わらず1万2294人。2019年の同時期を上回っている。

こうした事態に専門家は…

東京曳舟病院・三浦邦久副院長:
皆さん巣ごもりされていて、暑さに慣れていない。マスクもしているので熱もこもりますし、熱中症になるリスクは非常に高いと思います

気象庁は10月までの3か月予報で、東日本から西日本の広い範囲で気温が平年より高いと予想。

「熱中症とコロナ対策」誰も経験したことがない夏をどう乗り切れば良いのだろうか?

マスクとフェイスシールド装着で調理

都内のラーメン店を取材すると、フェイスシールドとマスクを着用し、ラーメンを作るスタッフ。熱気のこもる厨房の中で、見るからに暑苦しそうだ…

蔵前元楽総本店・吉田副店長:
コロナ禍の夏なので対策は大変です

蔵前元楽総本店では、コロナ対策で一部の窓を開けて換気を徹底。常に高温の外気が入ってくるため室温の上昇が避けられない状態になっている。

蔵前元楽総本店・吉田副店長:
エアコンを最低温度の20度。風量も最大にして対応しています。

一般的なエアコンには換気の機能はないため、環境省や厚労省もこまめな換気とエアコンの温度調節を勧めている。

屋外で2m以上離れていればマスクを外す

一方、屋外の施設ではどうか?「熱中症を防ぐために、マスクをはずしましょう」と目立つ文字のポスターで呼びかけているのは都内のテニスクラブ。

会員数850人を誇る「善福公園テニスクラブ」では「屋外で2メートル以上離れている際は、マスクを外す」という国の指針に従い、生徒はマスクを外してプレーしている。

一方、指導するコーチはマスクを着用していたが…

善福寺公園テニスクラブ・野田照彦総支配人:
元々は日よけ対策のためのマスクなんですけど、非常に通気性がよく飛沫が防げます

日陰でもマスクの熱は放出されづらい

また「夏のマスク着用」で専門家が危惧するのが、日陰でもマスクの熱は放出されづらいということ。

そこで、気温約30度の東京・お台場で検証してみた。

まずはマスクを着用した状態で炎天下から日陰に移動。10分後、口元の37度を示す黄色い部分があまり減っていないのがわかる。

体験したスタッフによると「蒸れて暑さが残っている」感じがするという。

一方、マスクを外した状態で日陰で10分間涼むと、口元付近に体温が下がったことを示す青っぽい部分が現れた。

さらに、炎天下で気をつけたいのが水分不足

環境省が勧める意外なアイテムは「日傘」。日傘でなぜ水分不足になるのを防げるのだろうか?

実は日傘をさして強い日差しから体を守ると、汗の量が約17%減るとされ、水分が奪われにくい状態になるという。

1日1.2リットル以上の水分補給を推奨

一方、水分補給にも「コロナ禍ならでは」の注意点があると専門家は指摘する。

東京曳舟病院・三浦邦久副院長:
マスクをしていることによって、のどが潤って水分を飲まない。熱中症になりやすい環境になっていますね

マスクを装着した際は、のどの渇きを感じにくいので、いつも以上に意識して水分を取る必要があるという。国が呼びかけるのは、1日あたり1.2リットル、コップ約6杯分の水のこまめな補給だ。

そんな水分補給をサポートする取り組みも、全国で続々登場。

無印良品の一部店舗(約130店舗)では、マイボトルを持参すると、無料で水をくめる給水サービスを7月からスタート。

山梨県の南アルプス市では、7月から75歳以上の高齢者に2000円分の「飲み物引換券」を配布。熱中症の予防と注意喚起をはかるという。

南アルプス市民:
助かります。2000円なら1カ月分くらいですかね

一方、大阪のユニバーサルスタジオジャパンも、マスクをつけて業務にあたる従業員などに向けて水分や塩キャラメルを補給する「オアシス隊」を創設した。

猛暑日が予想され、寝苦しい夜が続くとみられる2020年の夏。専門家によると寝る時も、マスクを外した方がいいという。

東京曳舟病院・三浦邦久副院長:
ただでさえ水分をとりにくい状態を作っていて、自分でサウナにいる状態を作っている。室温を28度以下、湿度を70%以下に保つことが重要です

(「めざましテレビ」8月5日放送分より)