2023年に全国各地で大量発生した「カメムシ」が、冬を越して今、大量発生している。愛知県と岐阜県は、それぞれ全域に注意報を出して対策を呼び掛けている。大量発生の理由について、専門家に聞いた。

愛知県幸田町の林の中には、県がカメムシの発生状況を調べるためにトラップを設置している。ここに入ったカメムシの数は5月8日までに計71匹で、過去10年間で最多となり、平年の3倍以上だ。

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23日、管理を委託されているJAの職員がワナを確認したところ、14匹のカメムシがトラップに入っていた。

カメムシは果物の汁を吸うため、筆柿の全国有数の産地の幸田町でも、危機感は募るばかりだ。

JAあいち三河幸田営農センターの矢田友和さん:
果実を吸われる被害が多くて売り物にならなくなってしまいますので。実被害は今は少ないですけど、収穫時期に向けてカメムシは少ない方がいいと思いますので、防除をしていただきたいと思います。

大量発生の理由について、専門家に聞いた。

名城大学昆虫学研究室の上船雅義教授:
(カメムシは)スギやヒノキの実を食べて成長します。23年は花粉が多かったので、カメムシが爆発的に増えた。23年は暖冬でしたので寒さによる死亡が減って、今の時期に出てくる、冬を越した成虫の数が多いままきてしまった。

23年の大量発生のあと冬を越したのが、いま現れているカメムシで、エサになる杉やヒノキの実がなくなると、畑や市街地に出てくるという。

城大学昆虫学研究室の上船雅義教授:
エサがなくなっちゃうとどこかにエサを探しに出るというところが、害虫化するカメムシの特徴かなと。例えばスギ・ヒノキでエサ不足となったときに、果樹園にやってきて果樹の実を食べるので、売り物となる実を食べちゃって農家さんたちは被害を被っているという状況にあります。

(東海テレビ)

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