旧新潟6区選出の立憲民主党・梅谷守衆院議員が選挙区内の有権者に日本酒を配った問題。立憲民主党は5月22日、梅谷議員に3カ月の党の役職停止の処分を発表した。この処分を受け、報道陣の前に姿を現した梅谷議員だったが、謝罪するのみで、1分ほどでカメラの前を去った。問題が明らかになって3カ月…梅谷議員は詳細の説明を避け続けている。
2月に問題発覚も“対応なし”
立憲民主党の梅谷守衆院議員が自身の選挙区内で開かれていた複数のイベントで有権者に日本酒を配っていた問題。
この記事の画像(8枚)4月に糸魚川市の行政書士が公職選挙法違反の疑いで梅谷議員を刑事告発し、新潟地検と県警が受理しているが、この間、党本部は梅谷議員に説明を促すわけでも処分を下すわけでもなかった。
刑事告発後に立憲民主党の岡田幹事長は「捜査機関の判断を待つという状態。その判断が出たところでそれを踏まえて党としての考え方、対応をはかっていきたい」と話すに留めていた。
こうした党本部の対応に県連代表の西村智奈美衆院議員は「時間が経っても対応されていないということで、とにかく早くやるべきという話も出たので改めて岡田幹事長に話はしたい」と話すなど身内からも早期の対応を求める声が相次いでいた。
自民批判も…梅谷議員の処分見送り
そして、20日の役員会の議論を経て、21日に梅谷議員の処分が発表される予定だったが、「色々な意見も出たので、きょうは見送りとした」と処分を先送りに…。
しかし、この会見で岡田幹事長は自民党に対し、「本来自分たちが原因を作り出したという自覚があれば、もっと積極的に早く対応するべきだと思いますが、信じられないほどグズグズしていたと言える。私は怒りを覚える」と政治資金パーティーをめぐる裏金問題への対応を舌鋒鋭く批判していた。
これには記者からも「梅谷さんの件、発覚したのが2月で3カ月経っている。国民も同じように怒りを覚えている。立憲民主党はグズグズしているんじゃないかと思っている」と立憲党内での対応の遅さについて疑問視する質問も。
これに対し、岡田幹事長は「捜査当局がどういう判断をするかは当然、党の判断に影響がある。無関係に党の判断が決まるわけではない」と立憲民主党の追及を受ける自民党と同じような主張を繰り返した。
3カ月の党役職停止を急遽決定
すると、この会見の翌日となった22日、立憲民主党は持ち回りの常任幹事会で3カ月の党の役職停止を急遽決定。さらに1カ月の党員資格停止処分について検討しているという。
また、24日に会見を開いた立憲民主党の泉代表は今後の捜査の進展によって追加の処分をする可能性を示唆した。
梅谷議員 謝罪するも詳細は語らず…
その梅谷議員は23日、報道陣の前に姿を現し、「改めまして私の軽率な行動を深く反省しております。誠に申し訳ありませんでした」と深く謝罪したものの、詳細を語ることはなく…「本当に本当に、新幹線がちょっと…誠に申し訳ございませんでした」とホームページでコメントを発表したとして1分ほどで足早にこの場を立ち去っていた。
自民党の裏金問題をめぐっては説明責任を果たすよう追及を続けてきた立憲民主党。
24日の会見で記者から「立憲民主党の議員がそういう説明責任の仕方というのは問題あると思いませんか」と問われた泉代表は「もし、取材をしっかりされたいということであれば、お互いにアポをとるなり、調整してやるべきかな」と回答。
しかし、梅谷議員に対しては新潟県内の報道各社で再三にわたり記者会見での説明を要請しているが、回答すらないのが現状だ。
そして、梅谷議員が5月22日に公開したホームページでのコメントは以下の通り。
党本部常任幹事会において、私に対する3カ月間の党の役職停止、及び党員資格停止1ヶ月の倫理委員会への提起が決定されました。
会合の出席の対価として物品の提供を行ったことに対する処分であり、改めて軽率な行動であったと深く反省をしております。
この間、お支えいただいた党員、協力党員(サポーターズ)、パートナーズの皆様、ご推薦ご支持をいただいているすべての政党、有権者の皆様に深くお詫びを申し上げます。
現状、2024年4月10日にご報告させていただいた通り、捜査機関に対して2月の報道前から自主的に事実関係の説明を継続して行っておりますので、引き続き捜査機関に全面的に協力してまいります。
果たしてこのコメントで説明責任を果たしたと言えるのだろうか…「とことん向き合う」をキャッチフレーズに活動してきたはずの梅谷議員。
自らの口での説明を避け続けている現状は、果たして有権者にとことん向き合えているのだろうか。
(NST新潟総合テレビ)