2024年度に県立長崎東高校で設定されたのは「学校に来てもいい日」。登校しても授業なし、課題なし、部活動も原則禁止。生徒も教職員も1日の過ごし方を自分で決めることができるというものだ。生徒には自主性を、教職員は年次有給休暇の取得の推進につなげることが目的だ。
「学校に来てもいい日」に教室を覗いてみた
長崎東高校の通常の登校時間は午前8時10分。「学校に来てもいい日」1回目となった5月14日、午前8時15分に教室を覗いてみると…ある教室では生徒は半分ほど。
この記事の画像(8枚)隣のクラスは誰もいない!鍵も開いていない!
2024年度に長崎県で初めて導入された「ひがしチャレンジデー」は、授業の日でもなく、休みの日でもない「学校に来てもいい日」という新たな区分となる。登校しても授業なし、課題もなし、部活動も原則禁止。何をするかは生徒自身が決めて行動するのだ。この日登校した生徒は「家でなかなか勉強できないので、この機会を無駄にしないように学校に来た」ということだった。
登校した生徒:
模試で分からなかったところや自分の苦手なところを重点的にやろうと思ってきた。(Q:他の生徒は?)いつも部活とか忙しいから、きょうはリラックスする時間をとろうとか言ってる人が多かった
過ごし方を自分で決める
長崎県教育委員会は生徒の主体性を育て、教職員の働き方改革にも取り組む「イノベーションハイスクール」に県内4つの高校を指定した。このうち長崎東高校では、生徒も教職員も1日の過ごし方を自分で決める独自の取り組みが始まった。
授業日でも休業日でもない「3つ目の区分の日」。生徒にはやるべきことを計画的に行う「主体的な学びの充実」や、自身で時間管理をする経験を積んでもらうことを目的としている。教職員は自己研鑽や研修の時間にあてたり、超過勤務の是正にもつながればとしている。
買い物に美術館、自己研鑽
この日は生徒813人のうち50人が学校で自主学習に取り組んだ。
そのほかの生徒は買い物をしたり、美術館に行ったりと、思い思いに1日を過ごした。中には人気の飲食店の行列に並ぶと宣言した生徒もいたという。生徒が何をして過ごすのかは教職員も知らず、自主性に任せている。この取り組みは教職員の働き方改革も兼ねていて、57人のうち36人が年次休暇を取得し、自己研鑽やリフレッシュにあてた。
部活動も休みなので、顧問も活動はない。
長崎県立長崎東高校 尾崎誠吾副校長(※崎は「たつさき」):
教員にとっては心身のリフレッシュというのが第一と思っている。先生の心のゆとりが生徒のゆとりと自主性の育成に必ずつながってくると思う
「ひがしチャレンジデー」は2024年度に長崎東高校で9日間、長崎東中学校で6日間を予定している。
(テレビ長崎)