旬の春キャベツの価格が高騰していて、名古屋のスーパーでは例年の約1.5倍から2倍の価格となっている。その理由と今後の見通しについて調べた。
名古屋市天白区のスーパー「タチヤ」では、入口のすぐ近くに今が旬のキャベツが置かれていた。

女性客:
夫がキャベツ大好きなので。普通は春はキャベツの価格がもうちょっと下がる時なのにね
男性客:
お好み焼きに。痛いは痛いですよね。一番食べやすい野菜なので
食卓の定番食材・キャベツだが、八事店での5月16日の販売価格は1玉322円だった。例年に比べ、約1.5倍から2倍となっているが、それでも赤字だという。

タチヤ八事店の青果担当 鈴木風歌さん:
赤字で売っている状況になっています。苦しい状況ではありますが、頑張ってやっています
高騰の理由は天候不順だ。農林水産省は「最近の雨の影響で気温の変化が大きくなり、出荷量が減っているため」としている。
女性客:
タチヤさんの方が(他の店より)安いと分かっていたので、買いに来ました。やっぱり高いね。でも欠かせないものなので
キャベツの卸売価格を見てみると、約1年前の2023年5月下旬は1キロ71円で、その後大きな変動はなかった。しかし、2024年5月に入ってから急騰し、1キロ222円と約3倍にまで値上がりしている。

なぜこんなに高いのか。キャベツの一大産地、愛知県豊橋市にある渥美半島の生産者を訪ねると、生育が遅れていることが分かった。
キャベツ農家の西崎行成さん:
3月が冷えたせいで(生育に)多少遅れはありますね。2週間くらい。今がちょうとピーク、一番出る時季なんですけど、やっぱり遅れているせいか数は少ないと思います

5月は冬に収穫する品種のキャベツから、春から初夏にかけて収穫する品種のキャベツに切り替わる時期だ。2024年は暖冬だったものの3月に低温の日が続き、この時期に出荷するキャベツの生育が2週間ほど遅れているという。
キャベツ農家の西崎行成さん:
あんまりに高いと消費者も買い控えしちゃうし、適正価格が一番いいのかなと思います
キャベツショックは飲食店にも及んでいる。
関西風の鉄板焼きが楽しめる店では、本来もやしとキャベツを使う焼きそばの具はもやしを増量し、キャベツは白菜やニラで代用していた。

イカ焼きなどの下に敷くキャベツも、もやしに変更した。
大衆鉄板たぎつ屋の松澤肇料理長:
早く安くなってもらうことに越したことはないんですけども
影響が広がるキャベツショック。価格高騰は今後も続くのだろうか。
JA豊橋の高須雄司さん:
5月中旬から下旬に気温が上がってこれば、今遅れているものが追いついてくるということで、出荷量もそれに合わせて増えてくるかなと見込んでいます。あとは雨の多い時季になりますので、天候次第で出荷量は変わってきてしまうので。(Q.早ければいつ価格は戻る?)5月終わりぐらいではないかなと思っています
(東海テレビ)