珍しい天文現象。11日から12日未明にかけ、北海道や石川県などで「オーロラ」が観測され、長野県内でも小海町で夜空が赤紫色に染まる様子が捉えられた。県内での観測は21年ぶりだという。
各地で観測 低緯度オーロラ
星が輝く中、薄っすらと赤紫色に染まる夜空。
こちらは11日夜、北海道七飯町で撮影された「オーロラ」の映像。

被災地・石川県珠洲市でも観測された。

長野県小海町でも撮影に成功
そして、こちらは小海町で撮影されたオーロラ。夜空がうっすらと赤紫色に染まっているのがわかる。撮影したのは、天文学が専門の長野高専の大西浩次教授。
「『低緯度オーロラ』といわれる赤い発光のオーロラ。長野県で見えるかどうかが規模を確認する重要なポイントで期待していた。実際に見えるんだと、成功したということで喜んでしまった」と感想を述べた。

「太陽フレア」による特別な現象
大西教授によると、「低緯度オーロラ」は、太陽でおきる爆発現象「太陽フレア」によって大規模な磁気の乱れが起きた時に限り発生する特別な現象。
5月9日に「太陽フレア」が連続で発生したことから、出現の可能性が高くなり、大西教授は「狙っていた」という。

磁気の乱れ GPSなどへの影響も
県内で観測されたのは21年ぶりというオーロラ。見た目の美しさの一方、「太陽フレア」によって日常生活にもさまざまな影響を及ぼす恐れがある。
大西教授は「皆さん気づいたかどうか、GPSの精度が悪くなっている。上空でオーロラが起きるほど、たくさん粒子が降ってくるということで、たくさん電流が流れている。情報化社会を支える基本的なインフラが壊れる可能性がある」と指摘する。
「太陽フレア」による磁気の乱れは続いており、大西教授は今後1年程度、県内でもオーロラが見える可能性があるとしていて、「どこで見えたというのがすごく重要。見えて明るかったとか、ぜひ皆さん、観測に参加していただいて一緒に研究できたら」と話している。

(長野放送)