芝生の上でじゃれ合う2匹の犬。いま中国で「動物虐待」論争が起きている“パンダ犬”だ。
実は、ほかにもキリンやキツネのようにカラーリングされた犬もいる。

「動物虐待では」国境を超えて注目高まる

地元政府がSNS上で公開した映像。

この記事の画像(12枚)

この2匹の名前は「ショウロンポウ」「干しトウフ」。
いずれも、プロに染められたチャウチャウ犬。「養護されていて、とても健康です」などと説明されている。

この“パンダ犬”を巡っては、アメリカの大手メディアのニューヨークポストが「動物虐待なのでは」などと報じるなど、国境を超えて注目が高まっている。

事の発端は中国・江蘇省泰州市の動物園が、お客さんを増やすために白と黒に染めた“パンダ犬”を展示したことだった。

SNS上には、胴体と耳が黒く染められた犬の目元を黒く染め、“パンダ犬”へと変身する様子を撮影した動画も投稿されている。

こちらは、子犬などのペット販売会場の映像。
当たり前のように“パンダ犬”が販売されていて、抱っこした女性が満面の笑みを浮かべる様子も確認できる。

2007年には、個人でパンダ犬を作成した中国人男性が地元テレビ局に出演し、虐待かどうか討論となったこともあった。

パンダ犬を販売する業者は、「人も年を取ったら美しさを追求するため髪を染めるでしょう」「動物虐待ではない」と話している。

トラ、キリン、コアラ…マリオまで

こうした犬のカラーリングは、“パンダ犬”だけではない。

中国のSNS上には、黒い染料を塗られたトラ柄の犬や、キツネそっくりのカラーリングされた犬の姿も。

カメラに目を合わせているのは、本物のコアラと見間違えるほどの完成度。

白い毛を黄色に染め、茶色のハンテン模様を入れた“キリン犬”も。

また、背中に人気ゲームのキャラクターが描かれた犬も確認できた。

相次ぐ犬へのカラーリング、安全性に問題はないのか。
動物の生態に詳しい、パンク町田さんに取材した。

生物行動進化研究センター・パンク町田理事長:
犬に対して害を及ぼすような、薬害のあるような成分でないのであれば問題はないと思います。要するに、皮膚呼吸ができなくなるようなものであれば問題がありますけど、皮膚呼吸が出来る以上は、そんなに影響ないと思います。色は関係ないと思います。

しかし、別の問題をこう指摘する。

生物行動進化研究センター・パンク町田理事長:
「同じ時間、この台の上にいなさい」といって無理矢理(毛を)とかすのと、毛を染めるのと、どっちの方がストレスかかりますかということ。
(「イット!」 5月9日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(12枚)