2024年もおいしい「孟宗(もうそう)」の季節がやってきた。特産地として知られる山形・鶴岡市湯田川地区で4月25日に出荷が始まった。また山形市では、5年ぶりに旬の「湯田川孟宗」を味わえるイベントも開かれ“孟宗汁”を求めて長い行列ができていた。

「湯田川孟宗」が豊作 例年の倍以上

カゴいっぱいに収穫された旬の「湯田川孟宗」。鶴岡市湯田川地区にある集荷場では、出荷の初日となった25日、生産者が午前6時半から採れたての孟宗を続々と持ち込んでいた。

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2024年は「表年」と呼ばれる2年に一度の豊作の年にあたる。4月に入り暖かい日が続いたため、生育は例年より1週間ほど早く、25日は例年の倍以上の470kgが持ち込まれた。

孟宗は、JAの担当者が1kg以上の「L」から400グラム未満の「2S」まで手際よく分けて、出荷の準備を進めていた。

JA鶴岡湯田川孟宗部会・佐藤久男部会長:
朝掘りで出荷しているので、みずみずしくえぐみもなく、アク抜きも要らない。やはり孟宗汁で食べるのがおいしい

湯田川孟宗の出荷は、例年、5月下旬まで続く。

ベテラン生産者も大満足のでき

地区内にある竹林の斜面では、25日午前5時ごろから数人で収穫作業を行った。急な斜面の方が良い孟宗が育つそうで、生産者歴20年のベテランも2024年のできには大満足だ。

生産者・齋藤金廣さん:
初日から73kg採れたのですごく良い。去年は掘り始めで5kgぐらいだった。大きさもことしは大きい。GW連休中は内陸からのお客さんが直売所に並ぶ。一生懸命掘りたい

2024年は2023年の倍の約12トンの収穫量が見込まれている湯田川孟宗。集荷場わきの直売所は、27日午前7時半にオープンし、整理券はオープンの1時間前から配布された。

“孟宗汁”求める人で長い行列が

一方、山形市では、5年ぶりに旬の「湯田川孟宗」を味わえるイベント「湯田川温泉孟宗まつり」が開かれた。

「湯田川孟宗」を使った“孟宗汁”
「湯田川孟宗」を使った“孟宗汁”

山形市の「霞城セントラル」には、庄内の春の味“孟宗汁”を求めて長い行列ができていた。

今回で17回目となる「湯田川温泉孟宗まつり」は、旬を迎えた湯田川孟宗の魅力をPRしようと、湯田川温泉観光協会などが企画した。コロナの影響で5年ぶりの開催となった。

能登半島地震の被災地の復興を支援するチャリティーを兼ねて行われ、200円以上の募金をすると、出来立ての孟宗汁を味わうことができる。用意されたのは100kgの孟宗を使用した500杯。

湯田川で採れる孟宗は、えぐみがなくやわらかいのが特徴で、23日・24日の朝に収穫したものをすぐに下ゆですることで、新鮮なおいしさのまま提供された。

「湯田川孟宗」を初めて食べる子ども
「湯田川孟宗」を初めて食べる子ども

市内から来た人たちは、「楽しみにして来た。甘さがある。市販されたものより、やっぱり採りたてということがあるかもしれない。甘さが違う」「初物というかあまり食べたことがなくて、やわらかくてすごく食べやすい」「味噌味だけどちょっと酒かすが入っていておいしい」
「娘は初めて食べる、湯田川孟宗。おいしいね。ばくばく食べている。内陸であまり食べる機会がないので、こうやって山形で食べられるのはうれしい」と湯田川孟宗を堪能していた。

湯田川温泉観光協会・太田百合副会長:
ようやくみなさんの前で孟宗汁を振る舞うことができて大変うれしい。旬の孟宗を湯田川の地元に、みなさんに足を運んでもらっておいしく食べてほしい

500杯の孟宗汁は約1時間で完売し、集まった約13万6000円は全額が復興支援に充てられる。

(さくらんぼテレビ)

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