4月23日正午前、京都の観光名所「産寧坂」で、歴史ある桜の木が突然、倒れました。

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現場は、京都の観光名所として全国的に知られる清水寺の近く、国内外から訪れた多くの観光客でにぎわう「産寧坂」(三年坂)です。

突然の倒木に62歳の男性が下敷きになり、鎖骨や足の骨を折るなど、全治数カ月の重傷です。男性は三重県の高校教師。遠足で生徒を引率している時に事故に遭いました。

現場近くの土産物店店主は、音に驚いたといいます。

現場近くの土産物店店主:
12時前くらいにご飯食べてる時に、ドーンっていう音が聞こえて表に出たら木が倒れてた。これ尋常じゃないなと思って。
――人通りはどうでしたか?
多かった。かなり多かった。

倒れた木は、樹齢100年以上の有名な「しだれ桜」

倒れた大木はこの産寧坂のシンボルでした。地元の人にとっても、大切な存在だったといいます。

3月30日に撮影された産寧坂の桜
3月30日に撮影された産寧坂の桜

現場近くの土産物店店主:
有名な桜やで。100年以上ある桜でしだれ桜っていって。“先触れ桜”といって、この桜が散り始めて、清水寺の山桜が咲き始める。この桜が咲かないことには清水の桜は咲かないっていうバロメーターになってる。

独自入手!倒木後の写真  倒れた木は向かいの店まで…

「めざまし8」が入手した、通報の約15分後に撮影された写真には、坂をふさぐようにして倒れた木が…。
警察官や消防などが駆けつけ、騒然としている様子がうかがえます。

さらに、倒れた木が坂をふさぎ向かいの店にまで入り込むなど、事故の大きさがうかがえます。

通報の15分後の倒木現場
通報の15分後の倒木現場

警察によると、木の高さは 約9.1m、直径は 約40cmとのこと。
木が直撃した、向かいの店の従業員に話を聞きました。

向かいの店の従業員:
ガラガラガッシャーンみたいな音が聞こえて、見たら入り口付近まで木が侵入してきて、向かいのしだれ桜がこちらに向かって倒れてきてました。
――大きな音でしたか?
すごい大きい建物が崩壊したみたいな音が鳴ってましたね。

事故直後に店内から撮影された写真
事故直後に店内から撮影された写真

直後に店内から撮影された写真には、店の中にまで枝が入ってきている様子が捉えられています。

別の写真をみると、枝もしっかりとした太さがあることがわかります。

――予兆とかあった?
向かいの店の従業員:

(木の)老化が進んでいるとはわからなかった。

木はなぜ倒れた?考えられる2つの理由

樹齢100年以上と言われるしだれ桜の大木。近隣の人々は木が倒れる予兆のようなものは感じなかったといいます。
なぜ歴史あるしだれ桜がこのような形で折れてしまったのでしょうか?
樹木の育成などに詳しい日本樹木医会の小林明理事に聞きました。

日本樹木医会 小林明理事
日本樹木医会 小林明理事

――今回の桜が倒木した理由は何だと思いますか?
日本樹木医会 小林明理事:

理由は大きく2つ考えられます。この桜の大きさにしては植えられた場所が狭すぎる。最低でも5m四方の敷地が必要だと思われます。木を支える根をしっかり伸ばすための空間ということです。

日本樹木医会 小林明理事:
2つ目が「今の季節」です。ちょうど花が終わって葉が開き始めます。写真を見ても、葉が大きくなっています。この葉が大きく広がることによって、例えば、葉が5万枚くらいあって1枚あたり2~3gだとすると100kgの重さになるわけです。それが風にあおられて、しかも、この木の形で葉が上の方にあると重心が上の方に行くので、風を受けやすくなって、葉の重さが加わってわずかな風でも倒れたということが考えられます。

――葉の茂っている様子で木が健康かどうかわかるのでしょうか?
この状況で見ますと、この木は元気だったと思われます。元気さと危なさは同居しています。

京都市は、木の幹が腐って倒れた可能性もあるとみて詳しい原因を調査しています。

(めざまし8 4月24日放送)