イタリアの高級ブランド「アルマーニ」デザインの標準服を導入して話題となった東京・銀座の中央区立泰明小学校が、6日入学式を迎える。
この問題の背景には、学校、制服のブランド化のみならず、少子高齢化問題や、小学校お受験問題、地域格差問題までもが見え隠れする。
果たして世界の制服事情は?
エドワード6世まで遡る「制服の母国」イギリス
イギリスの学校制服は上品なブレザー姿を思い出す方も多いと思います。
学校制服の「原点」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
義務教育機関はほとんどの学校で今でも制服が着用されており、「制服の母国」という感じですね。
イギリスの学校制服の起源は1552年、エドワード6世時代まで遡るといわれます。
ウエスト・サセックス州の「クライスト・ホスピタル」校がイギリスの学校制服の起源と言われています。
この学校は「慈善学校」と当時呼ばれた種類のもので、目的としては「父親のいない子供たち、また貧しい子供たちに教育を与える」というものでした。
よって、子供たちが身なりで差別をうけることなく、というのが学校制服導入当初のコンセプトだったと思われます。
この学校の制服は「ブルーコート」と呼ばれるもので、トレンチコートのようでおしゃれに見えますが、染料は最も安いものが使われていたそうです。
この学校は今でも当時と同様の制服を着用しています。

イートン校とならんで名門と呼ばれる「ハーロー」校の麦わら帽子も学校創立からのもの。
伝統的な指定のブティックで購入します。
お店のサイトはこんな感じで<http://www.billingsandedmonds.co.uk/day-uniform-items/c55>
麦わら帽子は32ポンド(およそ4500円)で販売されています。
そのほかにも伝統校ならではのマントやスカートなど様々なものがあります。

一般的な制服はスーパーマーケットで購入可
長い伝統が守られる一方で、1820年の法改正ですべての子供たちが小学校に行けるようになり、多くの子供たちに容易に行き渡るよう標準化され始めました。
一般的な学校の制服は「マークス&スペンサー」などスーパーマーケットでも購入できます。
「フジテレビのヒュー・グラント(?)」の異名をとるFNNロンドン支局のスタッフ、ライアン・キーブルの昔の写真を見ると、一般的なイギリスの学校の制服はこんな感じです。
高校生になると、ネクタイを短くしてみたり、自分で工夫するのは日本と同じですね。
そんなイギリスの学校制服についても変化の波が来ています。

120校近くが「ジェンダーニュートラル制度」を導入
男子はブレザーにズボン、女子はスカートという昔ながらの姿が一般的だった制服ですが、イースト・サセックスにある「プライオリ・スクール」はスカートをやめ、男子女子ともに、ズボンにするというルールを去年導入。
ガーディアン紙によると、今では120校近くが、男女で制服を変えるのでなく、自分で選択できるジェンダーニュートラルの制度を導入しているとのこと。
一部の保護者には反論もあるようですが、時代の波は制服にも影響しています。
子供たちの平等を目指して始まった学校制服、今は様々な考え方に対応できるよう変化を続けています。
【FNNロンドン支局長 立石 修】