開幕2連勝のあと第3節で今季初黒星を喫した清水エスパルスだが、その後3連勝とここまで好調を維持している。ただ、J2の厳しさを2023年に嫌というほど思い知らされただけに、チームは良い緊張感に包まれている。

再び日程タイトな3連戦へ

3月16日から24日までの9日間で3試合とタイトな日程の中、いずれの試合も白星をあげた清水エスパルス。開幕からの6試合で獲得した勝ち点は15とリーグ順位は2位につけ、開幕ダッシュ成功と言えるだけの成績を収めている。

しかし、秋葉忠宏 監督は「10試合を目途にしている」と、その表情が緩むことはない。

前節の秋田戦は1対0とロースコアであるものの、キャプテンの北川航也がゴールを決めた後も終始主導権を握り続けた。

途中、何度かピンチを迎える場面もあったが、秋田の“売り”であるフィジカルの強さを封じ込めるとともに、コンパクトなゾーンディフェンスのユニットを右へ左と粘り強く動かして前を取ることで秋田に疲労を蓄積させ、思い通りに攻撃させなかった。

直近3試合に目を向けてみると、いずれも勝ちパターンが違う。

16日の大分戦は1試合を通じて相手を圧倒する“強者”の存在感を見せつけ、20日の千葉戦ではフロントプレスで主導権を渡したものの得意のショートカウンターで突き放し、24日の秋田戦は先行逃げ切りを成功させた。

秋葉監督は「我慢強くいろいろな勝ち方が出来てきた」と手ごたえを口にし、共にこれまで全試合に先発出場している中盤の宮本航汰は「我慢強く戦う」、副主将の山原怜音は「ゲームプラン通り粘り強く」と振り返る。

昨季までのエスパルスは焦れてボールを失い、失点につながるケースが何度もあったが、こうしたことに対して耐え忍ぶ戦いが出来るようになったことの証左だろう。

「自分たちから崩れない」「緩くならない」「慢心しない」

これは秋葉監督が自戒を込めて掲げるキーワードだ。

30日からは再び9日間で3試合と厳しい日程が待ち構えるが、一戦一戦を大切にして、“真”の開幕ダッシュをつかむべく秋葉エスパルスは走り続ける。

秋葉監督「当たり前を当たり前に」

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-ここまでは好調に推移している
清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
10試合をめどと考えていて、次の3連戦が一番大事。アウェイが2つ、すべてJ1経験のあるチーム。直近の大分・千葉・秋田は2つホームでできた。やはり次の3連戦が肝になる。気を引き締め直して自分たちの緩さを見せないでやりたい。

-違う勝ち方で積み上げた経験と勢いが大事になるか
清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
我慢強くいろいろな勝ち方ができてきた。フィジカルとメンタルを削り合う戦いでも我々の方が辛抱強くやれるのは去年にはなかったこと。うれしいし、最後の最後まで走れるとか、我慢強さはトレーニングから来ている。

ただ、それが今後のゲームを保証してくれるわけではない。我々としては結果が出せるように、最高の準備をしながら全員で最高に気を引き締めながらやり続けたい。

勝ちながら修正する。秋田戦は1得点で追加点がなかった。特に枠内シュートが少なかった。データでは枠内シュートはJ2リーグ1位。秋田戦では少なかったし、千葉で3点獲れたのにホームで1点では情けないし狙っている展開ではない。実際にヒヤッとするシーンが何回かあった。何が起きるかわからないのでそれをなくしたい。

相手のゴール近くでプレーする。相手の深いところへ入って行く。そうすることで相手のカウンターを喰らう確率がぐっと減るし、シュートもより近いところで打てる。背後を取る、ラインブレイクする、そういった選手のドリブルやパスの回数をチームで1試合30回以上と設定しているが、29回くらいが最高でまだ1試合もない。そこをもっとやっていきたい。

-選手の数名がコンディション不良
清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
去年からそうだが誰かに頼るとは全く思っていない。むしろ、誰が出てもいい状態を望んでいる。リーグ戦に出ていないメンバーがトレーニングで躍動していて、非常にいいメンタリティになっている。使いたくなるパフォーマンスを見せてくれる。何の心配もせず、いい感じだと思っている。

乾がいてもいなくても、変わりはないと思っている。彼らがいなくて負けるチームでいいのかと野心を持っている若い選手はいっぱいいる。体調不良の選手の側もチームのために何とかしようと考えてくれていたり、メディカルと話をしたり、各々がやるべきことをやって、この3連戦に集中したい。

-去年の今頃は非常に苦しんでいたが、いま勝てている理由
清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
自分たちから崩れない。緩くならない。慢心しない。連勝できた理由が何個かある。去年から続けてきた変化もある。凡事徹底というか、相手がどこであろうがやるべきこと当たり前を当たり前にやれることの強さ。目新しいことではなく、やるべきことを1年間徹底してやれるか、そこに立ち返って続けていけるかというところがポイントだと思う。

宮本選手「勝っている時こそ…」

清水エスパルス・宮本航汰 選手:
3連勝できているのは自分たちの我慢強さ。90分通して我慢強く戦うことができている。我慢した時間の間に迎えた自分たちの時間で仕留めることで連勝につながっている。

ホームでも3連勝できているのは、たくさんのサポーターの方々が来てくれて選手としても心強いし、相手にプレッシャーのかかる試合にしてもらっているのでとても感謝している。

今シーズンは全試合先発しているが自分は何も変えていない。100%で練習に取り組むとか、ブレずに何年も続けていることかもしれない。得点に絡むプレーが増えてきたのは、これまでバランスを取って(自陣に)残るケースが多かったが、今年は(中村)亮太朗がよく見て自分みたいな役割をしてくれるので、その分どっちか前にという話をしているので、そんな機会が多いのでは。

ただ、自分が残るケースも多いのでバランスよく、ストレスなくプレーができているのだと思う。彼と練習中はよく話をするが、そうした2人の話はチーム内に落とし込まれている。これからはピッチ外でももっと関わっていけたらと思っている。

去年と比べるとチームの雰囲気はいい。ただ、長崎戦で緩くなったことを忘れてはいけないし、勝っている時こそ自分たちにフォーカスして悪いところを修正しなければならない。秋葉監督も権田選手も言っていたが修正したいことはたくさんある。

山形をはじめとする3連戦は総力戦。自分で出来ることをやり切って納得して交代する。そんな思いで悔いが残らない3試合にしたい。疲労はたまるが、こんなとき何ができるか、前の3連戦よりも厳しい3連戦なのでチームみんなの力が必要。勝って自信をつけてもっといいチームにしたい。

山原副将「やってきたことが形に…」

清水エスパルス・山原怜音 副主将:
秋田戦は3連戦の最後でタフな戦いだったが全員の集中力で勝てた。先制点を奪い、理想は2点・3点と入れなければならないが、後ろは0で抑え、ボールも保持できた、自分たちのゲームプラン通り粘り強くできた。特別目立たなかったが、自分の役割は全うしたと思う。

カルリーニョスとの縦の関係は2年以上。お互いを理解して、コミュニケーションも取れて、いい関係。3連勝の意識はあったが、目の前の1戦1戦に全員メンタリティを注力している。目の前が大切。

リラックスには温泉やおいしいご飯でのんびりすること。いまは春休みで、子供のサポーターも多い。何気ない日常やプレーから良いものを見せてあげられるようしたい。

結果はついてきているが、今は(まだ)成し遂げていないのを理解することが大事。試合に出る・出ない関係なく、毎日の練習の質を高く、日常を大切にすること。スタメン確約の人間などいないし、勝っている時だからこそ三保での日常の質を上げる。1日1日の質を大事にしないと右肩上がりにはならないと思う。チームも個人も向上心が大事。J2を1年戦うが、対策されて勝てないチームではJ1に上がれない。

山形はキャンプの対戦でイメージがある。いま、秋葉監督の元でやってきたことが形になっている。やりたいことがチームではっきりとしている。迷いはない。

(テレビ静岡 報道部スポーツ班・外岡哲)

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外岡哲
外岡哲

テレビ静岡 報道部スポーツ業務推進役(清水エスパルス担当)。
1984年テレビ静岡入社。
1987年~1994年(主に社会部や掛川支局駐在)
2000年~2002年(主に県政担当やニュースデスク)
2021年~現在(スポーツ担当)
ドキュメンタリー番組「幻の甲子園」「産廃が街にやってくる」「空白域・東海地震に備えて」などを制作。
清水東高校時代はサッカー部に所属し、高校3年時には全国高校サッカー選手権静岡県大会でベスト11。
J2・熊本の大木武 監督は高校時代の同級生。