不登校の小中学生が過去最多となる中、その要員について調査結果が公表され、生徒の不登校理由を教師が認識できていない現実が、あらためて浮き彫りになった。
公益社団法人「子どもの発達科学研究所」は、2022年度に小学3年生から高校1年生だった児童生徒とその保護者、当時の担任教師に調査を行った。
調査の結果、不登校と報告された生徒とその保護者のうち、約7割から8割が不登校のきっかけについて「体調不良」「不安・抑うつ」などの心身不調を回答したが、生徒の「体調不良」「不安・抑うつ」が不登校の理由と認識していた教師は2割以下に留まった。
また、4割近い生徒や保護者が不登校の理由について「制服、給食、行事への不適応」をあげたが、それを認識していた教師はおよそ2割だった。
さらに、約3割の生徒・保護者が「いじめ被害」を不登校の要因にあげたが、それを認識していた教師は1割にも達しておらず、いじめが教師に見えにくい現状があらためて浮き彫りとなった。
そのほか、4割近い児童生徒が不登校のきかっけについて「先生と合わなかった」、約2割が「先生から厳しく怒られた、体罰があった」などと回答していて、「子どもの発達科学研究所」は「先生が悪いのではなく、1人でやれる範囲には限界がある。校則等の見直しの推進や、教師の指導方法など学校風土の向上が不登校の予防につながる」と訴えた。