迷子になっていた5歳の男の子を保護した高校生とその父親に警察から感謝状が贈られた。男の子がいたのは交通量の多い車道。実は2人は幼い頃に車にひかれた経験があり、「未然に事故を防げて良かった」と話している。
高校1年生と父親に感謝状
感謝状を贈られたのは、塩尻市の橋本信也さん(51)と次男で高校1年生の正也さん(16)。迷子になっていた5歳の男の子を保護した。
正也さんは、「考えずにとりあえず声をかけなきゃと、精いっぱいでした」と、保護するために必死だったと話す。

男の子がアンダーパスの車道に…
2月18日の午後6時ごろ、2人は車で帰宅中にJR塩尻駅近くのアンダーパスで5歳の男の子が車道にいるのを見つけた。
交通量が多い場所だ。

父親の橋本信也さんは、「登り口のところに来た時に小さい子が駆け足で走っていました。危ないなと思って次男が窓下げて声かけてくれて」と、当時の状況を説明してくれた。

高校生が優しい声かけ
車を降りた正也さんが男の子に声をかけ、助手席に乗せて保護した。
正也さんは、「怖いとかは頭になく、とりあえず車に乗せなきゃなと。車の中では好きな食べ物とか、最近どんなことしていか、そういうことを男の子に聞きました」と、とにかく落ち着かせようと、優しい言葉をかけ続けたという。

母親から警察に相談が…
男の子は家の外で遊んでいたところ、迷子になっていて、この1時間前に母親から警察に相談が寄せられていた。
男の子を保護した2人は駅前の交番へ。
すぐに迎えが来て男の子は無事、家に帰ることができた。
男の子の家族からは「ありがとうございます」と、感謝されたという。

大きな事故につながりかねなかった…
塩尻警察署の神林徹署長は、「大きな事故につながりかねなかった。ご家族から見れば命の恩人」と、2人に感謝の言葉を述べた。

2人とも…車にひかれた経験から
交通事故を防いだ親子。実は2人ともー。
父親の信也さんは、「次男も私も幼い頃に交通事故に遭っている。事件・事故が未然に防げて本当に良かった」と話し、また、正也さんは、「今後、同じような場面に遭遇したら、がんばります」と、笑みを浮かべた。

(長野放送)