日本ナンバープレートの広告が話題
新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が要請され、県をまたいで移動をする車に対して“他県ナンバー狩り”といわれる行為が横行した。
車のナンバープレートが他県である車は、ナンバープレートがめくれ上がるように折り曲げられたり、卵を投げつけられたり、車に傷をつけられたりなどと被害に遭った人がいる。
7月22日から「GoToキャンペーン」も始まり、車で他県へ移動する人も増えている中、「心には、日本ナンバーを。」と、通常では都道府県の地名が表記されている部分が「日本」と書かれたナンバープレートの駅広告の掲載が7月27日から始まった。
「日本001 あ20-20」
この広告を作ったのは、「新車市場」や「100円レンタカー」などを全国チェーン店展開している株式会社カーベル。ちなみに伊藤一正社長は、現役プロレスラー「カーベル伊藤」としても活動している。
この広告は、札幌駅、仙台駅、大宮駅、品川駅、大阪駅、博多駅(7月27日から8月2日まで)と名古屋駅(7月27日から7月30日まで)の全国7駅の構内で掲載されている。
感染したくない気持ちは理解できるが、“他県ナンバー狩り”という行為は行き過ぎだろう。「日本ナンバー」ならばこうした行為が行われなくなるというメッセージだと思うが、担当者に話を聞くと、今回の広告には熱い思いが込められていた。
クルマを傷つける行為への悲しさ
ーー広告を作ったきっかけは?
他県ナンバー狩り…クルマに関するサービスを提供するチェーン店として、クルマを傷つける行為への悲しさ、差別への悔しさからです。
ーー広告に込めた思いを教えて?
弊社スローガンに『好きか、大好きか。』という考え方があり、このスローガンを拡大。今は他県ナンバーや東京差別の問題などではなく、日本が”ワンチーム”となってコロナや自然災害といった難局を乗り越えるべき、という思いを込めました。
心のウイルスにかかっている人がものすごく多いので、心の”快復”の一助になればとの思いもつまっています。
ーーどのような人に見て欲しい?
この先に不安を感じている子供からお年寄りまで、みんなに見て欲しいです。
他県ナンバー狩りをした人や医療従事者に対する差別をした人、ネットで誹謗中傷している人には特に見てもらいたいです。
ねじ穴にはハートマーク…その他にも細かいこだわり
ーー「日本ナンバー」になった経緯を教えて?
ご当地ナンバープレートが話題の中、日本がワンチームに!を分かりやすく・キャッチーに伝えるには日本ナンバーが一番かな、と思いました。
ーーこだわった部分はどこ?
「001」はワンチーム。
「あ」は、50音のはじまりの音であることから、「はじまり」を意味。
「2020」は、コロナ、自然災害、オリンピック延期…このままだと2020年が最悪の一年になる。良いこともあった1年にしたい。
「ねじ穴」は、「心には、日本ナンバーを。」とかけて、ハートマークでチャーミングに。
ーーどこが難しかった?
「車屋さんらしい」表現方法にすることです。
ーーネットで話題になっているけど、どう思う?
1人でも共感してくれる人、笑顔になってくれる人が増えればいいなと思います。そんな人たちに拡散してもらいたいです。
ーー反響はあった?
全国の加盟店様、関係各社から「見たよ!」「勇気づけられた!」との声をいただいております。
「日本ナンバー」の広告は、“他県ナンバー狩り”についてだけでなく、新型コロナウイルスがなかなか収束に向かわない中、日本が”ワンチーム”となって難局を乗り越えるべきという思いが込められていた。