バスの運転手を確保しようと先日、長野県上田市内の4社が合同で会社説明会を開いた。このうちの1社の運転手の平均年齢は56歳、「少しでも若い力を入れていかないと」と危機感を募らせている。初めて運転体験も行い参加者は「仕事の選択肢の1つに考えたい」などと話していた。

少しでも若い力を

少しぎこちない様子で運転する男性。初めて大型バスを運転している。3月10日、上田市の教習所で開かれた「バスの運転体験ができる会社説明会」。

説明会は上田地域でバスを運行する4社と上田市が合同で開催。12人が参加した。

会社説明会でバス運転体験
会社説明会でバス運転体験
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上田地域もバスの運転手不足は深刻だ。さらに4月からの労働時間規制強化いわゆる2024年問題もあり、上田市内の路線バスは4月1日から1週間で112本、現在より16%減便する。

上田バスの国富啓嗣さんは「運転手の平均年齢は56歳、高齢化も進んでいる。少しでも若い力を入れていかないと。バスの運行維持ができるよう一人でも多くの方に興味を持ってもらいたい」などと話す。

資料
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大学生「仕事を選ぶきっかけに」

各会社で説明会は開いているが、より興味を持ってもらおうと初めて運転体験も行った。

上田市の23歳の大学生。担当者から指導を受けながら初の大型バスの運転だ。

大学生は、「普段の生活で当たり前と思っていることも支えてくれる人がいることを考えるきっかけになった。仕事を選ぶ一つのきっかけになった」と、体験から何かをつかんだようだ。

会社説明会でバス運転体験
会社説明会でバス運転体験

40代主婦「早く乗りたい」

「あー汗かいてきた。緊張で」と話すのは、2人の子どもがいる上田市の40代の女性。バスの運転手が夢で17年前に「大型二種免許」を取っが、子育てなどがあり実現していなかった。

久しぶりのバスの運転に、思わず「あーうれしすぎる」との声が。

運転体験を終えて、「うれしかったです。テンション上がって。2024年問題で労働時間が短くなるのでチャンスあるかなと思って、早く乗りたいです」と、前向きだ。

バス会社は今後も説明会を開き運転手確保につなげたいとしている。

会社説明会でバス運転体験
会社説明会でバス運転体験

(長野放送)

長野放送
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