イギリス王室が10日に公開したキャサリン妃らの写真について、不適切な加工がされているとして、イギリスのロイター通信やアメリカのAP通信などが配信を取り消した。その後、キャサリン妃は加工を認め、混乱を招いたとして謝罪した。

キャサリン妃が写真の加工認める

問題の写真は、腹部の手術を受けたキャサリン妃の姿がイギリス王室によって初めて公開されたもので、ジョージ王子とシャーロット王女、ルイ王子とともに笑顔で写っている。

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AP通信は写真の一部が不自然と指摘し、配信を取り消した上で「写真基準を満たさない方法で画像を加工しているとみられる」とし、加盟社に写真を使用しないよう求めた。

この写真について、キャサリン妃は11日、「私は多くのアマチュアカメラマンと同じく、写真の編集を試すことがあります」と加工を認めた上で、混乱を招いたとして謝罪した。

「写真はボツ」大手通信社が配信取り消し

イギリス王室が公開した写真だが、イギリスのロイター通信、アメリカのAP通信、フランスのAFP通信といった世界を代表する通信社などが、その日深夜、次々と写真の配信をとりやめるという異例の事態になった。王室が公式発表した写真に対し、メディア側から「違う」というのはなかなかないことだ。

ロイター通信が配信した画像には写真にバッテンが付けられており、Picture Kill=この写真はボツ、削除だと発表した。

配信を撤回した理由として、ロイター通信などは、シャーロット王女が着ている赤いニットの左手の袖部分に加工があると指摘。拡大すると、ニットの袖の一部が不自然に途中から欠けてしまっているように見える。袖も不自然だが、芝生が見えてくるはずの背景には、不自然な模様が出ている。ロイター通信の写真担当者はこれを「画像が改変されたことを示唆している」と指摘し、写真を使用差し止めにしたという。

さらに、キャサリン妃の左手にも注目が集まっている。普段、キャサリン妃は左手に結婚指輪を付けているのだが、写真では確認出来ない。そのため、SNS上では「手も加工されているのでは」などの臆測が飛び交っている。

大手通信社の加工基準は?

今は画像加工ソフトなどで簡単に写真が加工できる時代だ。写真の加工については、通信社は厳しい基準を設けている。

ロイター通信は、例えば写真を見やすくするためのサイズ調整、分かりやすくするための色彩や明るさの調整など、非常に限定した場合のみ画像加工ソフトの使用を許可している。

王室はこれまでも軽い修正などはしていたと言われているが、今回のウィリアム皇太子一家の写真は、その基準を超えていたとロイター通信が判断したと考えられる。

キャサリン妃をめぐる情報については、最近も混乱があった。イギリス国防省は、6月にバッキンガム宮殿近くで行われる恒例の閲兵式にキャサリン妃が参加するとネット上で発表したものの、その情報を直後に削除するという事態が起きた。

王室は、キャサリン妃が順調に回復していると発表しているが、こうしたことからキャサリン妃の体調については様々な憶測が出ている。
(「イット!」 3月11日放送より)