2月にオープンした広島市中区の新サッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」で、カラスによる「ふんの被害」を防ごうと“天敵のタカ”を活用した対策に乗り出した。この自然の摂理は効果を発揮するのか?
街中の新サカスタにカラスのふん
高橋徹 記者:
新しいサッカースタジアムの周辺に来ています。木にたくさんのカラスがとまっています。飛び立ちました!8羽?もっといますね
スタジアム近くの住民を悩ませる「カラス」。広島市によると、カラスは3月から繁殖期を迎え、街路樹や電柱などに巣を作り始めるなど活動が活発化するという。

スタジアム周辺の住民:
カラスが入らないようにごみ集積場を工夫している。ネットや仕切りがないと食い散らかされてゴミが広がり、大変なことになってしまう。これだけ対策しているということはカラスが多いですよね
その影響は真新しいサッカースタジアムでも…

高橋徹 記者:
カラスがスタジアムの白い屋根の上に居座っています
2月に開業したばかりの「エディオンピースウイング広島」では、飛んできたカラスがふんをして客席が汚れる被害が出ている。

天敵「タカ」を飛ばし、追い払う試み
カラス対策としてサンフレッチェ広島が連れてきたのが、カラスの天敵「タカ」だ。

3月6日、天敵でカラスを追い払う試みを行った。無人のスタジアムに響く甲高いタカの鳴き声。鷹匠がタカを巧みに操る。タカはスタジアム内のピッチやスタンドの上空を何度も飛びまわり、スタジアムの外にいるカラスに自身の存在を知らせた。
鷹匠・松前嘉剛さん:
ここには怖いタカがいるぞということをまわりのカラスに覚えさせます

スタジアムは広範囲に屋根が覆いかぶさり、これからの時期にカラスが巣を作りやすい環境になるという。
サンフレッチェ広島・信江雅美 部長:
巣作りが始まる前に、タカがいるぞとカラスや他の鳥に認知させて鳥害を防ごうと考えています。タカを見せるだけなら、鳥に危害を加えず鳥害を防げるので期待しています

サンフレッチェ広島は3月に週1回程度、スタジアムでタカを飛ばし、カラス対策を行う。「カラスがタカを怖がる」という自然の摂理を利用したアナログな対策。生き物に危害を加えない点でも、追い払いの効果に期待したい。
(テレビ新広島)