日本三景の1つに数えられる「天橋立」で起きた転落事故。再発防止策として行った注意喚起が新たな波紋を呼んでいる。

絶景に写り込む“注意書き”の存在が波紋を呼ぶ

展望台にあったのは、絶景とはかけ離れた“巨大な黄色い注意書き”。そこには「この先危険」と書かれている。

新たなに設置された巨大な注意書き
新たなに設置された巨大な注意書き
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「股のぞき」とは、台の上に立って股の間から眺めることで、空と海が逆転する観覧スタイル。

観覧スタイル「股のぞき」
観覧スタイル「股のぞき」

天橋立が右上がりに勢いよく天へと昇る龍の姿に見えるという、明治時代から続く伝統的なもの。

天橋立が龍に見える観光名所
天橋立が龍に見える観光名所

日本有数の観光名所に設置された、危険を知らせる注意書きの発端は、2月に起きた転落事故にある。

2月に転落事故が起きた
2月に転落事故が起きた

展望台で股のぞきをしていた男性が、別の男性に押され、約15m下の崖下まで転落した。

事故を受けて看板などを設置
事故を受けて看板などを設置

この事故を受け、展望台がある傘松公園は、3月1日に看板などを設置した。

実際に股のぞきをすると、注意書きが写り込み問題に…
実際に股のぞきをすると、注意書きが写り込み問題に…

実際に台の上から股のぞきをしてみると、絶景の中にどうしても黄色い注意書きが映り込んでしまう。

観光客:
色は変えたがいいかもしれない。景観にマッチするような色に。

看板は効果が薄い 必要なのは観光客の意識改革

こうした事案は過去にもある。

千葉フォルニアでも違法駐車が問題になって…
千葉フォルニアでも違法駐車が問題になって…

千葉・袖ヶ浦市にある人気の観光地「千葉フォルニア」。路肩に違法駐車し、危険な撮影をする人が相次いだ。

ヤシの木に注意書きをしたところ、批判が殺到した
ヤシの木に注意書きをしたところ、批判が殺到した

対策として、ヤシの木に「路上駐車禁止」と書かれた垂れ幕を設置するも、景観を損なうとここでも批判が殺到した。

こうした景観問題の対処について、専門家は観光客側の意識改革が必要だと話す。

愛知東邦大学 宮本佳範教授:
(今回のケースは)観光客の問題行為に起因しているので、観光客側のマナーを改善していかないことには、解決には繋がらない問題。

迷惑行為をする人は分かった上で行っているため、看板などの設置は効果が薄いという。

愛知東邦大学 宮本佳範教授:
スポーツマンシップという言葉がある。それと同じように観光客も、観光客なりの“ツーリストシップ”というのをもって、観光客の観光態度というのを見直していかなきゃいけない。
(「イット!」3月7日放送分より)