寄せ書きの新たなサービス「RETTEL」は、限られたスペースや時間でのメッセージ書きのストレスを解消。
リアルとオンラインの融合で、寄せ書きの価値を高め、一生の宝物にする。
リアルこその価値とデジタルの手軽さを組み合わせた新たな価値創造が求められている。
寄せ書きがオンラインで1冊の宝物に
春は転職や異動など人の移り変わりの多い季節。
そこで贈ったりもらったりするのが寄せ書き。しかし…。
「メッセージを書いたら急いで次の人に回す必要があるため、書きたいことが、ぱっと思い浮かばない」
「メッセージを書けるスペースが限られていてる」
そんな寄せ書きのあるあるを解決した、新たなサービス「RETTEL」が2024年2月に発表された。
濱辺くるみ記者:
高級感があり、飾りたくなるようなデザインの本。実は、寄せ書きになっているんです。
贈り物の添え物とされがちな寄せ書きを、主役になるようアップデート。
ネイチャーオブシングス・濱本智己 代表取締役:
寄せ書き自体がプレゼントの主役になるものを作ろうと。
特徴は、似顔絵アバターの制作ができ、作る側も、もらった側も楽しめるというもの。
濱辺くるみ記者:
実際に似顔絵アバターを作ってみたいと思います。
何百億以上もの組み合わせの中から、自分そっくりのアバターを制作し、贈る相手との関係性を登録。
メッセージが集まると、世界に1つだけの本になる。
また、制作過程はすべてDX化。
色紙を回す手間が省け、急いで次の人に色紙を回すというあるあるを解決。
スマホやパソコンで一括管理ができるため、幹事の負担を軽減させる。
最大200人が参加でき、約10日で配送が可能。
ネイチャーオブシングス・濱本智己 代表取締役:
手渡していく良さはあるのかもしれないが、5分で何書くのってところもあるじゃないですか。贈る相手のことを思う時間を持つには、DX化されたものが必須要件になると思う。
この「レターギフト」というものが、ギフト市場において、もっと一般的な存在になればいいなと思っている。
一時的な宝物ではなく一生の宝物に。オンラインとリアルの融合で、ギフト市場の拡大を狙う。
リアルだからこその価値を見極める
「Live News α」では、科学技術分野でのジェンダーギャップの解消を目指す、山田進太郎D&I財団COOの、石倉秀明さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
── 今回の試み、スタートアップの経営をされてきた石倉さんの目には、どう映っていますか?
山田進太郎D&I財団COO・石倉秀明さん:
春は卒業や転職など、別れの季節でもありますよね。私も過去何度か、転職する際や部署異動の際に寄せ書きをもらったけど、やはりうれしいし、今も大切にしている。
私が経営してたキャスターはフルリモートなので、オンラインの寄せ書きサービスを利用していたが、オンライン完結だと少し物足りなくもあった。
やはり、直接手に取れるものがあることの価値が大きいのが、寄せ書き。なので、今回のように制作はオンライン。でも実物が手元に届くという「オンラインとリアルの融合」は非常に価値がありそう。
堤 礼実 キャスター:
── デジタルによって価値を上げる。これは今、ビジネスのポイントですよね?
山田進太郎D&I財団COO・石倉秀明さん:
少し抽象化すると「オンラインでもできなくはないが、リアルだからこその価値が高いもの」がある。例えば、音楽のライブや舞台などがそう。
今後はリアルの価値を落とすことなく、オンラインの便利さをうまく組み合わせるサービスが増えてくるし、その融合がうまくいくことで、より価値を増していくものが出てくるはず。
誰もがテクノロジー活用の視点を
堤 礼実 キャスター:
── リアルで行っていたものをデジタル化できないかと、周囲を見つめ直すのもありかもしれませんね?
山田進太郎D&I財団COO・石倉秀明さん:
リアルだからこその価値を提供している会社やサービスほど、テクノロジーやオンラインを活用して、さらに価値を上げる方法を模索しないといけない。
カフェやファストフードのモバイルオーダーなどもその例だと思うが、テクノロジーを使ってお客さんの体験をよくする仕組みがあらゆる産業で広がるイメージ。
今まではIT業界に関わる人がテクノロジーの活用を考えればよかったが、これからはどんな仕事をしていても、テクノロジーやオンラインを活用して、より高い価値を作るか、という視点がすべての働く人にとって重要になる。
堤 礼実 キャスター:
リアルだからこその思いやり、デジタルだからこその手軽さ、それぞれの良いところが合わさることで、より気持ちを伝えやすくなり、温かい思いがあふれるといいなと思います。
(「Live News α」3月6日放送分より)