中国の最も重要な会議の1つである、全人代(=全国人民代表大会)が5日、開幕した。

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北京の会場には、中国全土から各地方の代表約3000人が集結。習近平国家主席ら指導部も出席する中、李強首相は焦点となる中国経済について、安定的な成長を目指す考えを強調した。

中国・李強首相:
今年の経済成長率目標を5%前後とする。

さらに、この目標達成に向け、李首相は「目標を達成するのは容易ではないため、的確な政策を講じ、各方面が心を1つにして、よりいっそう努力する必要がある」とつけ加えた。

「目標の達成は容易ではない」との認識を強調したうえで、今後 数年間にわたって特別国債を発行することを明らかにした。2024年は、日本円で20兆円余りを支出する考えだ。

不法入国試みる中国人をFNN直撃

中国の先行きに影を落とす事態が、中国本土から遠く離れた意外な場所で起こっていた。

アメリカとメキシコの国境には巨大な壁が作られていて、簡単には乗り越えられないようになっている。これまで、この国境付近で目立っていたのは、不法入国を試みる中南米諸国の人々の姿だった。

ところが3月にFNNの取材班が訪れると、中国語で書かれた薬や商品のパッケージなど、中国人の痕跡が、そこかしこに見られた。

アメリカに入国を試みた中国人らしき一行。

中には、なぜか成田空港にある店の袋を持つ人がいた。その1人に、質問を重ねてみると「安徽省から来ました」と答えた。

中国ではなく、日本の取材チームであることを知り、安堵した様子の中国人男性。明かしたのは、アメリカにたどり着くまでの驚きの道のりだった。

不法移民:
中国を出て2カ月です。2カ月かかりました。マカオ・香港からモロッコを経由しました。

中国からマカオ、香港そしてアフリカのモロッコを経由して、南米エクアドルへ。さらに、北米大陸を歩いて北上し、この国境にたどり着いたという。
中国からアメリカまでかかった期間は2カ月。かかった費用は、日本円で160万円以上だという。

陸路で国境を越える中国人は約50倍に急増

これは、別の中国人がSNSにアップした動画。アメリカ入国を目指し、中米のパナマを歩いて移動しているとされる様子が記録されていた。

また、大勢の人と一緒に濁った川を渡っていく様子が収められていた。

なぜ、彼らはここまでの苦労をしてまで、アメリカへの不法入国を試みるのだろうか。

不法移民:
自由と民主主義を求めてです。中国ではわたしは無職でした。

メキシコから陸路で国境を越える中国人は、2021年から2023年にかけて約50倍に急増。

移民の世話に取り組むボランティアは、1日で数百人単位の中国人不法入国者を目にすることもあるという。

ボランティア:
彼らは経済のために中国を去ったと言うんです。お金を稼げなくなったので、家族が持っているものすべてを現金化して、アメリカに来たと。
(「イット!」3月5日放送より)

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