災害時はペットと一緒に避難できるとは限らない。能登半島地震の発災後もはぐれてしまった、行方がわからなくなったという声があるという。

被災犬猫保護情報掲載サイト
被災犬猫保護情報掲載サイト
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そうしたペットが飼い主のところに戻れるよう、環境省と石川県などは、被災地で保護された、迷い犬猫の情報を知らせる「被災犬猫保護情報掲載サイト」を2月9日に開設した。

迷い犬猫の姿を写真で公開
迷い犬猫の姿を写真で公開

このサイトでは、迷い犬猫を保護した日時や場所、性別、特徴といった情報を、犬猫の写真付きで共有することができ、自治体や民間ボランティア団体などが投稿している。

特徴や連絡先なども掲載している
特徴や連絡先なども掲載している

預かり元の連絡先や問い合わせ先も掲載しており、自分のペットかもしれないと感じたなら、個別に連絡を取ることも可能だ。※預かり元によっては、引き取りに費用がかかることもある。

環境省の担当者によると、被災地ではさまざまな団体が犬猫の保護活動をしていることもあり、飼い主に情報を届けること、返還や譲渡のトラブルを防ぐことにつながればと、サイトを開設したという。

5匹の犬が飼い主と再会できた

返還や譲渡はどのように行われるのだろう。迷い犬猫の命を守るためにできることはあるのだろうか。今回のサイトを利用している団体のひとつ、能登北部保健所(輪島市・珠洲市・穴水町・能登町を管轄)の状況を、石川県の担当者に聞いた。


――地震後にどれくらいの犬猫を保護した?保護数は増えている?

1月1日から2月29日時点で犬を12匹、猫を1匹保護しています。能登北部管内での保護数なので、被災した犬猫かどうかはわかりません。(地震の影響について)はっきりとしたことは言えないのですが、例年の冬は保護数が少ない傾向にありますが、今年は多い印象を受けます。


――飼い主の元に戻れた、迷い犬猫はいる?

2024年に保護した犬のうち、5匹が飼い主の元に戻ることができました。保健所では不安そうでしたが、飼い主が迎えにくるととても喜んでいました。

飼い主かどうかの判断は犬猫の反応も参考に(画像はイメージ)
飼い主かどうかの判断は犬猫の反応も参考に(画像はイメージ)

――本当の飼い主かどうか、どのように確認する?

返還は飼い主の名前や住所、ペットの名前や特徴などを聞き、間違いないと判断すれば行います。犬は狂犬病の予防注射、所有者の登録手続きが義務付けられているので、その登録番号の確認もします。

後はペットの反応や態度ですね。私たちのような知らない人と、本当の飼い主にするものではやはり違います。飼い主もすぐに名前を呼んだりしますね。

石川県外から引き取ることも可能

――災害時は飼い主が現れない可能性も高そうだが、行き場のない犬猫を引き取ることはできる?

保健所の迷い犬猫は一定期間公示して、飼い主が現れなければ譲渡対象となり、石川県では獣医師会のウェブサイトに情報が掲載されます。法律や条例を守る、周囲に迷惑をかけないなど、新たな飼い主しての条件を満たせば、石川県内のセンターで譲渡が行われます。

譲渡先はこれまで県内の方が基本でしたが、地震後は県外の方にも相談に応じています。ただ、譲渡の際は石川県まで来ていただく必要があります。

ペットの行方が不明なら相談を(画像はイメージ)
ペットの行方が不明なら相談を(画像はイメージ)

――迷い犬猫の命を救うためにできることは?

ペットの行方が分からない飼い主は、被災犬猫保護情報掲載サイト、石川県獣医師会のサイトを定期的に確認いただくほか、宜しければ、保健所にもご相談ください。特徴が似たペットが見つかれば情報を共有します。また、サイトを見て「あの人のペットかもしれない」と思ったなら、その方にお伝えいただればと願います。



石川県の担当者は災害に備え、ペットの飼い主は5日分ほどの餌や水を保管し、避難がスムーズにできるよう、持ち運びできるケージに慣れさせたりしてほしいとも話した。大切な存在を守るための参考にしてほしい。

被災犬猫保護情報掲載サイトはこちら

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。