恋愛感情を巧みに利用し、男性3人からあわせて1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われている「頂き女子りりちゃん」の第3回公判が、2月16日、行われ、嘘と真実を織り交ぜた狡猾な手口が明らかにされた。

“仕上げ”のメッセージは「お金が用意できなければ会えなくなる、死ぬ」

「頂き女子りりちゃん」こと、住所不定、無職の渡邊真衣被告(25)は、16日の第3回公判にメガネはかけず、髪を後ろで束ねた姿で出廷した。

この日は、横浜市の50代の男性と群馬県の50代の男性に対し「借金がある」などとウソを言って、あわせて1億1700万円余りをだまし取った罪についての審理だ。

裁判長から起訴内容について「間違いないか」と問われた渡邊被告は、小さな声で「ありません」と答え、起訴内容を認めた。

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横浜市の男性とは風俗店で働いていた時に出会ったといい、店に客として訪れた男性とLINEの連絡先を交換すると、男性を「彼氏」と呼び始め「好きだよ」と何度もメッセージを送信していた。

男性に恋愛感情を抱かせてからは、様々なウソをついたという。

「家賃滞納の支払いのため」に65万円、「知人への借金の返済」に20万円、「カードローンの返済」に1110万円、「不仲の親との手切れ金」で2120万円、「アパレル会社設立での借金」4028万円など、最終的にこの男性からだまし取った総額は1億1704万円にも上った。

渡邊被告は「また夜仕事しなきゃいけない」「闇金から連絡が来た」などと言って男性に不安を抱かせ、“仕上げ”に「お金が用意できなければ会えなくなる、死ぬ」とメッセージを送ったとされている。

そして、男性が金を振り込むと「好き」とメッセージが返ってきたという。

詐欺を疑った男性には“本物の身分証や実際の住所”で信用させる

群馬県の男性とはマッチングアプリで知り合い、1カ月後には群馬県まで直接会いに行っていた。

初めて会った日の夜、渡邊被告は男性からLINEで結婚を前提とした交際を申し込まれ、恋愛感情を確信すると、自分が借金などの問題を抱えていて結婚相手にはふさわしくないとウソをついたという。

男性は当初、詐欺を疑って身分証などの提示を求めると、渡邊被告は自分の本物の身分証や実際の住所など伝えて信用させ、30万円をだまし取ったとされている。

金をだまし取るため、嘘と真実を織り交ぜた渡邊被告の狡猾な手口が明らかになった裁判となった。裁判は3月15日に結審する予定だ。

(東海テレビ)

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