神戸徳洲会病院で患者が適切な治療を受けられずに死亡するなど問題が相次いでいることを受け、神戸市は病院に医療法に基づく「改善命令」を出した。

■糖尿病患者がインスリン投与受けられず死亡 遺族に死因を「肺炎」と説明

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神戸市によると、神戸徳洲会病院に新型コロナの感染で入院していた70代の男性患者が、去年9月、糖尿病であることを見落とされ、数日間インスリンを投与されず、入院から10日後に死亡した。

男性の主治医は院長で、亡くなる直前にカルテに記載された持病の糖尿病を見落としていたことに気づいたものの、遺族には死因を「肺炎」と説明していた。院内では医療事故の疑いがあるとして調査委員会が開かれたが、結論は出されず、十分な検証も行われていなかった。

■カテーテル処置の後に患者11人が死亡

病院をめぐっては、ほかにも1人の男性医師によるカテーテル処置の後に11人の患者が死亡し、神戸市が去年8月、病院にカルテの管理を徹底するなど医療安全体制について行政指導を行っていた。

■県内初の「改善命令」出された病院 市に対し「ちゃんとやっていく」と話す

神戸市は、その後も病院の体制の改善がみられないことから、より重い「改善命令」に踏み切った。改善命令は病院側に対策などを具体的に記した「改善計画書」の提出を求めるもので、定期的に立ち入り調査も行われ、命令に従わなければ業務停止などの処分の対象となる。

兵庫県内で、医療法に基づく改善命令が出されるのはこれが初めてで、病院側は市に対し「改善に向けてちゃんとやっていく」と話したということだ。

関西テレビ
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