秋篠宮家の次女・佳子さまは、1月22日、東京・江戸川区のタワーホール船堀で開催された「第46回 聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に出席されました。聴覚障害者教育福祉協会の主催で昭和53(1978)年から始まったこの会は、毎年、ろう学校など各団体から推薦を受けた、聴覚に障害のある18歳以上の子どもの保護者を表彰しています。

第46回 聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会(東京・江戸川区)
第46回 聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会(東京・江戸川区)
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令和2(2020)年の第42回から出席されている佳子さま。おことばの冒頭、手話を交えながら、能登半島地震の被災者にお見舞いを述べられました。

《佳子さま おことば》
「困難な中におられる方々のことを思うと胸が痛みます。災害への対応に力を尽くされている方々に深く敬意を表しますとともに、被災した地域で救援と復旧が進んでいくことを心から願っております」

続いて、表彰された保護者に声は使わず手話のみでねぎらいの言葉を伝えられました。

《佳子さま おことば(手話)》
「受賞される皆様は、お子様の気持ちに心を配り、お子様との信頼関係を築き、お子様とともに歩んでこられたと思います。嬉しいことも、大変なこともある中で、お子様に寄り添ってこられたお姿を想像しております。お子様が皆様とともに過ごされたかけがえのない時間と思い出は、これからもお子様を支え続けることでしょう」

「失敗しない人生はない」保護者代表が子育て体験発表

今回表彰された36人の保護者を代表して、名古屋市の望月歩さんが、現在高校3年生の息子の子育てについて発表しました。

望月 歩さん
望月 歩さん

息子がまったく聞こえていないことが判明したのは2歳半のときだったといいます。

音の存在や物には名前があることも知らずに過ごしていた事実を突きつけられ「がく然としたのを覚えています」と声を詰まらせながら語りました。

3歳で人工内耳の手術を受け、ろう学校に入学したものの「まったくやる気なしで、手話もわからない、発音もできない、理解するのも遅い、当時の息子の主な表現方法は“泣き叫ぶ”でした」。

しかし、学校と二人三脚で根気強く取り組みを続けると変化が表れ「言葉の獲得や手話でのコミュニケーションがスムーズになり、今では部活の部長や生徒会に立候補するなど不器用ながらも何でも意欲的に挑戦する子に育ちました」 

「息子はまだコミュニケーションでつまずくことはありますが、『失敗しない人生はない。次に同じ失敗をしないように気をつければいい』と言い続けています。

まだまだ私の根気が要りますが、自分にも言い聞かせるようにして、今後も頑張っていこうと思います」

涙ながらに発表する望月さんの話にじっと耳を傾け、拍手を送られた佳子さま。聞こえないこと、聞えにくいことに対する社会の理解が深まることを願っていらっしゃいました。
(「皇室ご一家」2月18日放送)