東京・台東区で、4歳の娘に薬物を与え殺害した疑いで、父親と母親が逮捕された事件で、父親の弁護人が会見を開き、逮捕後も一貫して容疑を否認していることを明かした。

2023年3月、自宅で4歳の次女・美輝ちゃん(4)に、向精神薬などを与え殺害した疑いで、父親の細谷健一容疑者(43)と母親の志保容疑者(37)が16日朝送検された。

16日午後1時ごろ、健一容疑者の弁護人が会見を開き、逮捕後も容疑を一貫して否認していることを明かした。弁護人によると、子どもの送り迎えや寝かしつけなど、子育ては健一容疑者が中心に行っていたと説明した。また弁護人は、事件について、「(健一容疑者は)何かが起きていると気づいていたら、絶対止めている。気づかなかっただけ」と話した。
死亡した姉は「行政解剖」だったため、当初は有毒物質は検出されず…
このニュースについて、フジテレビ社会部・中川真理子警視庁キャップが解説する。

殺害された、次女・美輝ちゃんの遺体からは、向精神薬であるオランザピンと、不凍液のエチレングリコールが検出されていた。
2018年に自宅で亡くなった、姉・美奈子さんの遺体からは、美輝ちゃんと同じくエチレングリコールが検出されているが、細谷容疑者夫妻は、美奈子さんの死の直前に、エチレングリコールを購入していたことが新たにわかった。判明したのは2023年、美輝ちゃんが亡くなってからのことだった。

2018年、自宅で死亡した姉・美奈子さんの遺体は行政解剖された。ただ、エチレングリコールというのは、検出するには特別な検査が必要で、通常の解剖では検出されないものだという。当時は、有毒物質は検出されず、「事件性あり」とは判断されなかった。

しかし今回、美輝ちゃんの遺体の解剖で、向精神薬であるオランザピンが大量に検出された。薬物中毒死だったことがわかり、さらに、追加のスクリーニングを行ったところ、そこでエチレングリコールが検出。事件性が高いと判断され、姉・美奈子さんの遺体についても、5年たった2023年、あらためてエチレングリコールの検査をしたという。

東京都監察医務院に取材したところ、解剖を終えた遺体は、臓器のごく一部をホルマリン漬けなどの方法で、5年もしくは永久に保管するというのがルールとしてあるという。美奈子さんの死亡から、美輝ちゃんが殺害されるまでの期間は、ほぼ5年。
美奈子さんの再検査の時期はわかっていないが、臓器が保管されていたということは、捜査にとっては大きな進展となったといえそうだ。
(「イット!」2月16日放送より)