能登半島地震の発生からまもなく1カ月。支援の輪が広がっている。金沢市のライブハウスでは人気ロックバンドが急きょ、チャリティーライブを開いた。
何ができるか それは「ライブ」
金沢市にあるライブハウス「vanvanV4」。ここでチャリティーライブを開いたのは、1995年に結成した人気ロックバンドBRAHMAN(ブラフマン)。
ボーカルのTOSHI-LOW(トシロウ)さん。
TOSHI-LOWさん:
「自分たちはライブハウスを通じて全国を回っていてその土地に行くっていうのは自分の小さいふるさとが増える。そういう町が困っているってなったら自分たちがライブハウスを回るライブバンドとして何ができるかってことを1番最初に考えた」

1月7日に石川入り
2011年に発生した東日本大震災。TOSHI-LOWさんさんはある団体を立ち上げた。
「幡ヶ谷(はたがや)再生大学復興再生部」。通称「幡再(はたさい)」と呼ばれ、TOSHI-LOWさんはこれまで多くの被災地で支援活動を行ってきた。
未曽有の被害となった能登半島地震。迷いはなかった。
TOSHI-LOWさん:
「即決というか1月7日に来たんですけど、その時にライブハウスと話をして、今月の空いているところで、どうせ空いているんだからやろうって」

さらに、被災地の子供たちに向けたお菓子もファンから集めた。
ファン:
「ちょっとでも支援できたらというのとBRAHMANが好きなのできょうは来ました」
「現地に行って活動するというのが今はできないので被災された方の助けになればと」

家族と連絡取れず 生きた心地が…
今回のライブには、もう一組のアーティストが出演した。金沢で活動するロックバンド、「アダムとイヴ」。
アダムとイヴ ボーカル 脇野友汰さん:
「親父と祖母とおばが輪島にいて3日間くらい連絡がつかなくてその3日間っていうのは生きた心地がしないというかその言葉の意味が知れた3日間だった」
TOSHI-LOWさん:
「自分たちが来てチャリティーをやってもどうしても一過性のものというか(自分たちは)遠くからくることになるので郷土愛というか、そういうものが復興に大事なので地元のバンドとやるっていうのは当然かな。彼(脇野さん)にとっては(ライブを)やる意味とか意義がすごいあるだろうし」
脇野友汰さん:
「暗いライブをするつもりもなくて、俺らが今できる最大限を表現できたらなと思います」

何か形に…曲は「Father」
会場は多くの客であふれた。
そしてー。
ライブの様子♪
「アダムとイヴです。地元から希望を与えに来ました。よろしくお願いします!」
全力でパフォーマンスするアダムとイヴ。

ライブ中盤、脇野さんが訴えた。
脇野友汰さん:
「俺の親父が輪島出身で当時は地震が起きて、3日間連絡が取れなくてSNSでも拡散してもらって、俺はその3日の間に何か形に残さないといけないと思って曲を作りました「Father」って曲です」
(Father 歌詞)
「時の流れに逆らってみても親父に立ち向かうガキの頃みたい 何が何でもなりたかったもの強さを持ちたかったんだずっと」
脇野友汰さん:
「伝えたいことをそのまま言葉と音楽にのせて伝えられた感じはあったので満足というかよかったなと思います」

♪みんなで能登を助ける
そして、BRAHMANが登場。代名詞ともいえるモッシュ&ダイブを繰り返し熱狂の渦へ。
そんな中、TOSHI-LOWさんは叫ぶ。
TOSHI-LOWさん:
「助けてやってくれ、みんなで能登を助けてやってくれ」
約1時間で19曲、魂のライブだった。

TOSHI-LOWさん:
「『何、被災地で音楽をやってんだよ』とか自粛とかそういうことを言う人がいるんだけど音楽がなければ生きていけない人も世の中にはいる。食べ物と着るものと寝るところさえあれば生きていける、そんなわけない。それは初めの1週間ぐらい。そのあとには音楽を聞きたくなる人、自分の趣味が大事な人がいるわけ。その中で音楽のプライオリティが高い人たちが必ずいるからその人たちを救うことは俺たちにできるからまた呼ばれるようなことがあれば、いつでも石川県とお付き合いするつもりではいるよ」

このライブの収益はすべて義援金に。
BRAHMANはBRAHMANなりのやり方で被災地を支援し続ける。
(石川テレビ)