日本時間の28日、昨シーズンのタイトルを獲得した選手たちを表彰する夕食会に出席した大谷翔平選手。

その後、SNSに投稿された愛犬・デコピンの写真が話題となっている。
穏やかに微笑む大谷選手とは対照的にどこか浮かない表情のデコピン。

なぜ、悲しい表情になってしまったのか、動物の生態に詳しいパンク町田さんに聞いた。

デコピンは表情が豊かな犬種

ーーなぜ悲しそうな顔をしていた?

大谷選手が飼っている犬はスパニエル系の犬で、表情がとても豊かです。

イヌ科の生き物としては珍しく表情筋が発達していて、喜怒哀楽を顔に出しやすい犬種です。

パンク町田さん
パンク町田さん
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そうした中、なぜあのような悲しい表情をしていたのかというと、その場所の雰囲気が今まで経験したことのない場面で、緊張して、ちょっと怖かったのだと思います。
 

ーー慣れない場で緊張していた?

そうです。
犬は新しい場所に不安を感じます。

(イメージ)
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経験を積むことによって不安を感じないようにトレーニングされていきますが、まだそこら辺の勉強が不十分だったのかなと思います。

また、カメラに囲まれたり、見慣れない大勢の人が周りにいるなど、慣れない環境に不安や恐怖を感じます。

環境に慣れる時間が足りなかった

不安がそのまま顔に出てしまったデコピンだが、夕食会に出席するためロサンゼルスからニューヨークまで移動するプライベートジェットでは、スヤスヤと眠るかわいい姿も見せていた。

ーーフライト中はクッションを抱いて寝ていたが?

長旅の移動に慣れているように見えます。

また、犬は信頼できない相手の前では目をつぶって寝ないので、フライト中は安心できる環境で、そばには安心できる人しか居なかったのだと思います。

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ーー長時間フライトや時差も犬に影響する?

人間に影響を与えるものは犬にも通常あると考えるのが無難ですが、今回の“不安な表情”に時差やフライトが影響したとは考えにくいです。

例えば、1分間のフライトだったら恐怖を感じますが、6時間も乗っていれば、ストレスは感じるかもしれませんが、逆に不安や恐怖は解消されます。

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ーーどうすれば不安を軽減できる?

知らない環境で飼い主と離れていることが最も不安を感じる要素なので、その時間を減らすことが1つの解決策です。

あとは環境に事前に慣れるために、3日前から会場を見せたり、散歩するなどしたら不安は解消できたと思います。

動物は「輸送痩せ」も

パンク町田さんによると、動物は一般的に長距離移動を苦手とし、場合によっては「輸送痩せ」を起こすことがあるという。

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ーー犬にとって長距離移動は負担?

犬をはじめ、動物は全般的に足で移動できる範囲以上に移動することを嫌います。

動物は人間よりもバランス感覚が良いので、移動中に揺れると人間以上にバランスを取ろうと脳も筋肉も働きます。

そのため、「輸送痩せ」を起こすことがあります。
これは、バランスを取るために自分の細胞を燃焼してエネルギーに変える過程で起こります。

その際、腎臓や肝臓も駆使するため、疲れやすくなり、その結果移動中に眠るということがあります。

(イメージ)
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ーー緊張から解放されて寝ていた可能性も?

緊張するとアドレナリンが出て、緊急事態に備えて脳も筋肉もスタンバイの状態になります。

機内の写真が帰りの飛行機のものであれば、疲れた影響でぐっすり眠っていた可能性もあります。