奥能登の酒を絶やさないー。地震で被災し酒造りが出来なくなっている石川県能登町の酒蔵で、県内外の酒造会社が製造作業を代わりに行う支援をしている。
県内外の4つの酒蔵が支援
石川県白山市の老舗の酒蔵「車多酒造」。
その職人らが暗い夜道を走り向かった先はー。
「竹葉」の銘柄で有名な能登町の「数馬酒造」。
宇出津港に近い数馬酒造は、地震による大きな地割れに加え津波の被害も受けた。

数馬酒造のピンチに手を差し伸べたのが県内外の酒蔵だ。
支援を名乗り出た「車多酒造」を含む4つの酒蔵は、蔵で無事だった「もろみ」と呼ばれる日本酒のもとを引き取り、酒のしぼり作業と瓶詰めを行なうことにしている。
数馬酒造 数馬嘉一郎社長:
「本当にありがとうございますという感謝の気持ちでいっぱい。通常出している商品と味は異なってくると想像していますが、お客様の口に入った時にお客様が不快にならないような味わいに仕上がればと思います」

託された5000リットルのもろみ
往復250キロ以上の距離を移動し、無事に白山市の酒蔵に運び込まれた数馬酒造の「もろみ」。
到着するとすぐに車多酒造の能登杜氏が確認する。
杜氏 岡田謙治さん:
「発酵してプツプツしているので、まだ大丈夫」
車多酒造に託された5000リットルの「もろみ」。
このあと日本酒にして瓶詰めされ数馬酒造に戻される。

“震災を生き延びた酒”を守る
車多酒造9代目 車多慶一郎さん:
「震災を生き延びたお酒といいますか、そういう意味で数馬さんの意向にちゃんと沿ってしぼり、瓶詰め、出荷までさせていただければと思います。日本酒を飲んで実際に石川県に来ていただいたり、逆に県外でも飲んでいただいて、少しでも石川のことを思い出していただければ」
地震による甚大な被害の発生からまもなく1カ月。
さまざまな分野で支援の輪が広がっている。

(石川テレビ)