自民党・安倍派の政治資金パーティーを巡る事件で議員辞職した谷川弥一前衆院議員が、27日長崎市にある自宅を直撃したカメラを家の中に招き入れ熱弁。裏金の使い道を聞こうとすると激高しインタビューを遮る場面もあったが、その後、「大臣なるにはごますり必要」「『惜しい男を死なせたって』(と言わせたい)」などと本音を語ったーー。

辞職会見で「言いたいことは山ほどあるけどね」と含み

自民党・安倍派の政治資金パーティーを巡る事件で、政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、24日に議員辞職した谷川弥一前衆院議員(82)。

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裏金疑惑が浮上した当初、詰め寄る記者に対して「頭が悪いね」と発言。その後も、国会での”居眠り”姿など、何かと物議を醸した谷川氏だったが、収支報告書に約4300万円の不記載があったことが判明し、政治資金規正法違反の罪で略式起訴された。

谷川氏は、自ら責任を取る形で議員辞職を表明し、22日長崎・大村市で記者会見を開いた。

会見で記者から「派閥について確認なんですが」と問われた谷川氏は「派閥のことについては答えません」、「派閥から支持あったのか?」と聞かれても「とにかく私が悪かったんです。すみません」と質疑は平行線をたどり、「(真実を)明らかにすべきではないか?」と追及されても「すみません、言わない!」と派閥や金の使い道についてはかたくなに口を閉ざした。

その一方で、「本当に失礼だけどね…。まぁいいや。すみません。俺が悪いんです。言いたいことは山ほどあったけどね。言いません」と含みをもたせる発言もあり、谷川氏の地元長崎へ向かった。

裏金の使い道を聞くと「あなた帰ってくれ」と激高

谷川氏本人を直撃すべく、自宅近辺で待機していると…なんと、自宅にカメラを招き入れてくれた。

ジャケットは着用しているものの、足元ははだしでリラックスした様子でインタビューに臨んだ谷川氏。22日の会見で伝えたいことは伝えられたか聞くと、「それは伝えることはなかなかできないよね。あのくらいでは」と穏やかに話し始めた。

ところが…、その後、番組ディレクターが裏金の使い道について質問したところ態度が急変、「そういうことならもうやめる!もういい。そういうことを聞くんだったら、もうそれは終わった話だから。それを聞きに来たんだったら、もうあなた帰ってくれ!」と席を立ってしまった。

大臣になるために必要なのは「ごますり」

安倍派の重鎮として、第2次安倍内閣では文部科学副大臣を務めた谷川氏。

裏金の使い道についての質問に一度は激怒したが、その後、落ち着き、こう本音を語り始めた。

「俺を(政治家として)殺して日本は損をした。俺はそう思ってるんだよ」
「安倍派7期生で大臣になってないのは俺一人」

ーーなぜですか?
「(力を)つけたかったよ。それは郷里のためになるからね、力をつければ」
ーー政治家として力をつけるのは論客。集金能力があることが正しいのか?
「そう。俺の哲学だったけど、今は反省してますって」
「だから金なんか集めんでよかった。(大臣になるためには)ごますりがよかったんだよ、ごますり」
「徹底的にニコニコニコしてね。荷物を持ったりしてね。力のある人から好かれる人がよかった」

政治家としての生き方を、少し後悔しているような口ぶりの谷川氏はさらにこう続けた。

「これだけ努力した人間をね。なんか知らんけど血祭りにしてさ。きゃっきゃマスコミでたたいてさ。俺は今から2年半頑張って生きて、『惜しい男を死なせたって』(と言わせたい)。もう悪党呼ばわりされて終わりにしたくないからね。

ーー晩節を汚して終わるのは納得できる?
「納得できない!悔しくて本当に夜寝られんぐらい」

取材が終わり帰ろうとする番組ディレクターをわざわざ玄関の外まで見送った谷川氏。裏金の使い道については最後まで明かさなかったが、「ご苦労さん。申し訳ない。また遊びにきてください」と話す82歳の顔はとても穏やかだった。
(「Mr.サンデー」 1月28日放送より)

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