原動力は「よさこいの絆」。能登半島地震の被災地、石川・七尾市を支援しようと、よさこいチーム「とらっくよさこい」の代表を務めた磯木さんを中心に、1万3,200リットルの飲料水を5回に分けて運ぶプロジェクトが進んでいる。
支援に多くのよさこいチームが参加
磯木保広社長:
今「纏(まつ)り家・尽」さんが水を提供してくれました。
1月24日、高知・南国市小籠にある南国運送では、倉庫の一角に2リットル入りペットボトルの飲料水の箱が積み上げられていた。
ーーこの光景を見ていかがですか?
磯木保広社長:
ありがたいですね。今、提供申し込みいただいてるのが20チームあるので、順次集まってくると思います。これもよさこいの絆かなと思いますね。
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県。大規模火災で輪島市の「朝市」は壊滅状態に。日本有数の温泉地・七尾市の和倉温泉でも軒並み旅館が休業している。
この被災地・七尾市に水を送るプロジェクトが、南国運送の磯木保広社長を中心に進んでいる。
磯木社長は「よさこいでつながった縁が、こうして皆さんの“よさこい人”の支援の輪が広がって、手を差し伸べることができれば本当にいいなと思って、このプロジェクトを立ち上げました」と、そのきっかけについて話してくれた。
2019年まで、よさこいチーム「とらっくよさこい」の代表を務めた磯木さん。七尾市の和倉温泉で行われている「能登よさこい祭り」にも2008年から参加していた。
磯木保広社長:
チームの代表者として、踊り子さんとスタッフ連れてマイクロバスを運転して、12年くらい和倉温泉に通ってましたので、そういった深いつながりがございます。日本でも有数の観光地ですから、市民の方々のおもてなしの気質っていうんですかね、すごくよくしていただいたんですよね。
被災地の力になればと、まず磯木さんは高知県内の企業が集めた生活物資や食料などを4トントラック3台に積み込み、1月14日、石川へ出発。翌15日、金沢市の社会福祉法人が運営する窓口に物資を搬入した。
被災地を目に「胸が詰まる思い」
その後、よさこい仲間に物資を届けようと七尾市に向かった磯木さんが見たものは。
磯木保広社長:
七尾市の方は全壊している家もありましたし、道のいたるところに亀裂が入って非常に厳しい状況だなと。僕にも能登の血が流れてますんで胸が詰まる思いがしましたね。
実は七尾市は磯木さんの父・量博さんの故郷。幼いころは毎年夏に両親と一緒に帰省し、海で泳いだ思い出がある。
磯木社長は「和倉温泉では大きな旅館が斜めになっていたり、非常に思い出の詰まった地ですから、何とも言えないつらい気持ちになりましたね」と自らの心情について語った。
“よさこいの絆”でプロジェクトが始動
高知への帰り道、「このまま支援を終えてはいけない」と考えた磯木さんは、七尾市で断水が続いていることを知り「水」を送ることを計画。
高知に戻り周囲に支援を呼びかけたところ、「帯屋町筋」や「上町よさこい鳴子連」など複数のチームが賛同し、今回のプロジェクトが走りだした。
1月25日もよさこいチームが水を持ってきた。
國士舞双・森田成潔代表:
自分たちができること、どんなことがあるかなと思ってまして、そういったときにちょうど、このよさこいの給水の支援があるということで。いま全国各地でよさこいが行われているんですけど、いい時だけでなくて、困った時にでも助けあえる仲間たちだということも広めていけたらいいかなと思います。
磯木保広社長:
我々の、民間の力というのは少しですけど、笑顔が戻ったり希望が持てるような形に早くなればという風に思っています。今回、こういう試みは本当に初めてのことだと思うんですけど、これがベースとなって、避難地域の力になるようなネットワークが形成できれば、よさこいの形もまた違った側面が出てくるんじゃないかな。
プロジェクトでは5回に分けて1万3,200リットル、あわせて1,100箱の水を運ぶ計画をしている。第一陣は1月28日に高知を出発する。
集めているのは2リットルの飲料水で、一口が6本入り20ケース。このほか支援金も一口1万円から募っている。よさこいチームだけでなく企業や個人からの寄付も受け付けているという。
詳しくは磯木さんの電話番号090-8978-4111までお問い合わせください。
(高知さんさんテレビ)