北海道東部の別海町出身の作家、河崎秋子さんの「ともぐい」が直木賞を受賞した。
受賞した「ともぐい」は、明治時代後期の北海道東部を舞台に、猟師の熊爪の生き様を描いた物語だ。
「ともぐい」が直木賞を受賞
クマと猟師の命がけの対峙やクマ同士の戦いを、五感を使って鮮明に描いている。
1月17日の受賞を受け会見では、「クマに近い地域で暮らし、冬の寒さやクマが出そうな場所を五感で感じとった経験で再現した」と話していた河崎さん。
この作品の主人公については、「読んだ人を物語に引きこみ、色々な解釈をしてもらおうと、膨らみをもたせて描いた」と話していて、読む人にとって様々な解釈が生まれそうだ。
羊飼いをしながら執筆活動
1979年に別海町の酪農家に生まれ、2002年に北海学園大学経済学部を卒業。
卒業後、ニュージーランドで1年間、綿羊の飼育を学び、実家に戻り羊飼いをしながら執筆活動を続けていたユニークな経歴の持ち主だ。
その後、数々の作品で受賞し、2019年に十勝管内に移住。専業作家として活動し、2022年に「絞め殺しの樹」で直木賞にノミネートされた。
そして2024年、「ともぐい」で直木賞を受賞。
趣味はソロキャンプ
河崎さんのプライベートにまつわる情報を、これまでに書いたコラムから抜粋する。
好きな食べ物は、花咲ガニ。幼いころからたくさん食べていて、大好きなよう。
ネコが好きで、2匹飼っている。
河崎さんの趣味は、ソロキャンプ。2023年秋ごろからハマっているということだ。
コラムには、ソロキャンプにまつわるエピソードも。
テント泊から車中泊に変更…意外な理由が
ある時キャンプ場に行ったら、他のお客さんは全員日帰りで、泊まりは河崎さんだけという日があった。
初めは、『これこそリアルソロキャンプだ』と喜んでいたようですが、『クマに襲われたら助からないのでは』と思い直し、テントをたたみ、車中泊に変更したそうだ。
それ以降キャンプ場を選ぶときには、"適度に人がいること"という条件を追加したというエピソードも。
北海道の自然に対する愛や、ユニークな人柄が見えた。