能登半島地震の影響で廃業を余儀なくされた店がある。新潟市西区で仕出しや鮮魚の販売を行ってきた老舗・鮮魚店は老朽化する建物に地震の揺れが追い打ちをかけ、業者から修復不可能と告げられてしまったと言う。店主の思いを取材した。
地震の被害大きく… 廃業を決断
新潟市西区にある「鮮魚仕出し元助」。

店舗の裏側は壁が大きく崩れ、修復が難しいため、店舗を取り壊す決断をした。

「揺れが収まったあと、家から外を見たらこんな状態になっていた。びっくりした」
こう話すのは、元助の4代目・小竹正さんだ。

地震発生後に妻・寿子さんが撮影した写真には、崩れた壁が道をふさぐ様子や2階のタンスが倒れている様子が記録されていた。

「食器も結構倒れていた。割れたのは20~30枚」

食器や冷蔵庫が壊れる被害もあったが、建物自体への影響が大きく、大工から「修復は不可能。被害が及ぶ前に一刻も早く解体したほうがいい」と言われたという。

「もっと続けて欲しい」の声も…
1916年に創業し、長く地域の食卓を支えてきた元助。小竹さんのもとには「もっと続けてほしい」との連絡もあったというが、廃業することを決めた。

小竹さんは新潟市に罹災証明書を申請し、まだ被害調査は行われていないが、2月以降、元助の建物は解体される予定だ。

苦渋の決断をした小竹さんは寂しそうな声で言った。
「修復しながらやっていたけど、これで『完全に終わったな』と。直しようがないんですよね、もう」
(NST新潟総合テレビ)