用水路に落ちた高齢女性を救出し、郡山警察署から感謝状が贈られた福島県郡山市の菅野さん一家。きっかけはいつもの朝とは違う「音」だった。

バシャバシャ…助けて

2024年1月16日、郡山警察署の遠藤勉署長から感謝状が贈られたのは、菅野恵美子さん(71)と義理の娘の奈々さん(47)、孫の萌さん(20)と結さん(18)の家族4人。

人命救助をした菅野さん一家 孫の結さんは欠席
人命救助をした菅野さん一家 孫の結さんは欠席
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それは12月16日の午前4時すぎのことだった。自宅で寝ていた恵美子さんは、すぐ横を通る用水路から聞こえた「水の音」と「うめき声」に異変を感じたという。
「外から何か泳いでいるような水のバシャバシャという音が聞こえて、それで窓を開けてみて、誰もいなくて閉めて。また、変だなと思って見たら人がいなかったが、一言 助けてって声が聞こえたので」

自宅近くの用水路からいつもと違う音が聞こえた
自宅近くの用水路からいつもと違う音が聞こえた

家族ならではの連携

2メートルほどの深さがある用水路にいたのは、80代の高齢女性。発見後、すぐに娘の奈々さんが110番通報。孫の萌さんと結さんが、用水路に入り女性を引き上げた。

<救助時の様子>
高齢女性:なんでこんなことになっちまったんだか
菅野さん:なんでこんなところに落っこちたの?
高齢女性:・・・

菅野さん提供 救助の様子
菅野さん提供 救助の様子

孫の萌さんは「特に何も話さなくても、勝手に役割分担ができていた。日頃からコミュニケーションを取っているからこその結果。一番は、助けたいという思いが強かった」と話す。恵美子さんは「優しい孫たちで、本当に誇らしい」と話した。

助けたいという思いと家族の連携
助けたいという思いと家族の連携

素早い対応が命を救う

その後、警察と消防が到着。女性は病院に運ばれ、低体温症と診断されたが命に別状はなかった。低体温症は、臓器の機能が働かなくなることで意識がもうろうとするケースもあり、発見が遅れていれば女性が倒れて溺れる危険もあったという。

救助が遅れていれば命に関わった可能性も
救助が遅れていれば命に関わった可能性も

郡山警察署生活安全課の國分知也課長は「迅速に行動していただいて、素早く人命救助と救急隊への引継ぎが出来た事によって、今回、高齢女性の命が救われたという風に感じている」と話す。

郡山警察署生活安全課・國分知也課長
郡山警察署生活安全課・國分知也課長

菅野恵美子さんは「自分もそういう年に近くなってきているので、救助した女性が元気で居て貰えれば、それで良い」と話した。

(福島テレビ)

福島テレビ
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