出雲空港と宮城・仙台空港を結ぶFDA(フジドリームエアラインズ)の定期便が、1月8日に運航を終了した。山陰と東北を直結した空の便がなくなることに、利用者や関係者からは感謝と惜しむ声が上がった。

ロビーには利用客からのメッセージ

FDAの出雲 - 仙台便は2018年4月に就航。2019年の利用率は60%台とまずまずだったが、コロナ禍の2020年以降は度重なる運休のため利用が伸び悩み、2021年には30%台まで落ち込んだ。

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燃料費の高騰など航空業界でも厳しい経営環境が続く中、FDAは赤字路線となっていた仙台便は1月8日をもって運航終了。また、ほぼ同時期に就航した出雲 - 静岡便については3月末までの運休を決めた。

仙台便の最終運航日となった1月8日、出雲空港のロビーにあるFDAのカウンター前にはメッセージボードが設置され、「帰省のたびにお世話になりました!親切な対応、ありがとう」「またいつか出雲と仙台の空がつながりますように」など、利用者の感謝や運航終了を惜しむメッセージがしたためられていた。

これまで4、5回利用したという仙台からの最終便の乗客も「山陰まで来るのがすごく楽だった。これがなくなったらこれからどうしようかという心配はある」と残念そうに話した。

地方つなぐ貴重な路線の復活願う声

運航終了が発表された後の2023年11月と12月、仙台便の利用率は“駆け込み需要”にも押されて90%台に。新型コロナの5類移行で人の往来が活発になり、利用回復の兆しも見えていただけに、関係者にとっても歯がゆいラストフライトとなった。

FDAのカウンター業務などを担うSAS出雲空港事業所の川谷日出男所長代理は「こういう搭乗率の高い路線はなかなかないので復活はしてほしい」と話し、山陰と東北を直接結ぶ貴重な路線の再開を求めた。

出雲空港に就航するFDAの路線は、9日から運休する静岡便が4月以降再開しなければ、名古屋便を残すだけとなる。
鉄道や高速道路など陸路の交通網が十分とはいえない山陰両県。インバウンドの回復も見込まれる中、地方空港間を結ぶ貴重な“空の道”が正念場を迎えている。

(TSKさんいん中央テレビ)

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