各地に甚大な被害をもたらしている能登半島地震。5日夕方までに石川県で94人が死亡、222人が安否不明になっている。先の見えない避難所生活で被災者の皆さんが今困っていることは何なのか、坂元キャスターが取材した。
■避難所生活で一番大変なのは「衛生面」
5日17時時点で、55人の方が亡くなり121人の方が安否不明という輪島市内にいる。 私が今いるのは門前町というところだが、大きな家屋が倒壊して目の前の家も崩れてしまっていた。長年ここにお住まいの方にお話を伺ったが、町内は顔見知りの方がほとんどで「どこどこの奥さんが亡くなった」とか「顔を知っている方が亡くなった」という情報がたくさん入ってきて、とてもつらいとおっしゃっていた。

ここの避難所は高校で今50人ほどの方が生活をしている。一番大変で神経をすり減らしているのは衛生面だとおっしゃっていた、お手洗いた。いま断水しているので水洗トイレが使えない。仮設トイレが近くにできて皆さんそこを使っているが、段差がある。さらに和式になってるので、どうしても年配の方が使えない。
■夜は0度に…暖房がなく床も冷たい
では年配の方はどうしているかと言うと、高校内のトイレに入りまして用を足すのだが、それをポリ袋に入れて高校の外に置く場所があって、そこに置いている。 収集車が来ればいいのだが、定期的に来られなくて、どうしてもたまってしまうような状況になっている。
水洗じゃないので衛生面が心配、病気あるいは感染症が広がらないか、その辺りに神経をすり減らしているという話があった。 あとは、やはり寒さ。大阪と比べてもなかなか感じないような、痛いような寒さを石川で感じる。 4日も夜は0度になったそうだ。暖房がないので毛布にくるまって、でも、床が冷たいのでなかなか寝付けなくて、疲れがたまるとおっしゃっていた。

気象においても心配な話がありまして、気象台によりますと1/6は大雨警報が出る可能性もあるそうだ。1/7は気温がさらに下がって雪が降る恐れもあるという話も入ってきている。 皆さん先が見通せない中でのストレスを感じている。ど うしても家に戻ることができない…、壊れているので。じゃあ、この避難所にいつまでいるのか、そして仮設住宅がいつできるのか、どこにできるのか、そして、自宅に戻るにしても、建て直すのかあるいは引っ越すのか。いずれにしてもお金がすごくかかるのは間違いない。その辺り、お話を伺っていて強烈な不安の中にいるのだろうなということを感じた。

■支援物資の受け入れは現状、企業・団体からのまとまった提供のみ
5日夕方時点での避難者が3万2616人となっている。視聴者の方も被災地の状況を見て応援したいと思われる方も多いと思われるが、支援物資の受け入れの現状、石川県によると企業・団体からのまとまった物資の提供のみ受けつけている状況だ。
ただ、それも県のホームページ、それからメールなどで申し出をしてほしいということだ。そして、現地への直接の搬入も控えてほしい、救命活動の妨げになる可能性があるからだ。

ボランティアをしたいという方もいらっしゃるかもしれない。 石川県の加賀市では加賀市の災害ボランティアセンターが5日に設置されて、6日から活動開始予定だ。ただ、募集の対象は賀市在住または加賀市内で勤務している人、中学生以上という募集内容になっている。
ほかの自治体へのボランティアは、現地の受け入れ体制が整うまで募集はしていない。募集状況は県のホームページでお知らせをするということで、個別に被災地に行ったり、電話での問い合わせは控えてくださいということだ。
関西テレビ 神崎博報道デスク:
道路状況が悪くて通れる道路が限られている。しかもその道路が渋滞しているケースもあります。まだ現地では揺れが続いているので、2次被害の恐れもあります。いずれボランティアの力が必要になるタイミングがあると思いますが、現地の体制が整うまではちょっと待つ必要があるのではないかと思います

ジャーナリスト 浜田敬子さん:
物資もそうですし、必要な支援って時間が経つと変わっていきます。今は人命救助と捜索が第一で、必要な物資を届けるのは、まず慣れた人が行く。消防の人や自衛隊が行くっていうのは最も効率がいいと思いますが、これから壊れた家の片付けとかになると、ぜひボランティアの人手があった方がいいと思ういます。少し時間がたって現地が落ち着いたら皆さんに行っていただきたいなと思います
支援したいという方には、能登半島地震による被害を受けて、フジネットワークでは被害に遭った方々の支援のため、サザエさん募金を受け付けている。
募金は日本赤十字社を通じて被災者へ送られる。 振込先はご覧の口座になっている。皆様のご協力をお願いいたします。

(関西テレビ「newsランナー」1月5日放送)