新しい“読みやすさ”を期間限定で無償提供

「本を読むのは好きだけどスピードが遅い」「速読術を身につければ効率よく本を読めるのに」

そんな悩みを解決してくれそうな、今までにない新しい“読みやすさ”を提供してくれる技術が登場した。

日本ユニシスが公開したのは、その名も「読書アシスト」。まずはこちらを見てほしい。

読書アシストはあなたに新しい読書体験をご提供します。
 読書中の目の動きをふまえて科学的にデザインされた
  新しい“読みやすさ”を、ぜひお試しください。

あなたはスラスラ読めただろうか?
行の冒頭が階段状になっているだけでなく、1行の文も文節ごとに階段状になっている。「読書アシスト」の技術は、人間が文章を読む際の視点移動に着目し、無駄なく視点移動を行うように文章をレイアウトし直すというものだ。

同社によると、日本人の1分間の平均読書速度は400~600文字とされている中、この機能を使うと1分間に約1000文字と約1.5倍~2倍の速度で読めるようになるという。

さらには「視覚的に認識しやすいため、リズムよく読める」「文字がぎっしり詰まっていると気が滅入ってしまうが、その圧迫感を軽減する」効果もあるとしている。

変換された文章「羅生門(芥川龍之介)」

そんな「読書アシスト」の変換では、6つの工程を一瞬で行ってくれる。

〈「読書アシスト」独自の表示方式〉
(1)読みやすいフォントに変換。
(2)横書きに変換。
(3)改行位置の調整。
(4)文節ごとに階段状に下げる。
(5)文章の冒頭を階段状にする。
(6)1行置きに背景色を付ける。

こうしたレイアウトにすることで、読む時の目線を“文節(意味の分かる最小単位)”ごとにスムーズに誘導し、妨げとなる余分な目線の動きを減らすことで、文章が読みやすくなるという。

公式Twitterアカウントである、読書アシスト普及推進チーム(@readingassist)では、30秒の動画で変換工程を説明している。

(工程開始 例文「吾輩は猫である(夏目漱石)」)
(工程1)

なお、自分の好きな文章を「読書アシスト」で変換するには、GoogleのChrome拡張機能かAPIを使うこととなる。どちらも無償配布されており、9月30日まで利用できる。

また、HPやInstagramでは変換済みの名作文学も紹介している。

HPより無償で体験できる作品(7月20日時点)

速読術を用いることなく、読むスピードがアップするのはもちろん、読みやすくなるという「読書アシスト」は、大日本印刷株式会社(DNP)が2012年から研究・開発していたものだが、今回、資本提携する日本ユニシスと共同で実証実験を始めた。

開発のきっかけや反響はどうなのだろうか? 日本ユニシスの山口啓一郎さんに話を聞いてみた。

コロナ禍の在宅作業の一助に…期間限定で無償提供

ーー「読書アシスト」はどうして開発された?

現代社会では多くの情報が文字を介して伝達されるため、自然に理想的な速度で文章を読むことができる表示システムが必要ではないかと考えました。


ーー読みやすくする工程はどのようにして決められた?

文章を理想的な速度で自然に読むためには、視線の動きをスムーズにストレスなく誘導させることであり、そのためにどのような表示レイアウトが最適であるかということを試行錯誤した結果になります。

(工程2)
(工程3)

ーー現在の反響は?

おかげさまで多くの方々にご利用いただいております。また、様々なコミュニティーサイト等で好意的なご意見をいただいております。

想定以上の反響をいただき驚くとともに、感謝の思いでございます。このいただいた声をもとに一刻も早い事業化に向けてまい進したいと存じます。


ーーなぜ期間限定の無償提供になったの?

「読書アシスト」の特長として、誰でも最大倍の文章の量を読むことができることから、新型コロナ禍で在宅学習、在宅勤務を強いられている方々の一助になるとの思いで急きょ、無償公開を行うことを決断いたしました。


ーーそれ以降はどうなるの?

多くの利用者様のお声をいただき、いち早い事業化に向けて努力してまいります。

(工程4)
(工程5)

学習や業務の「効率化」に

ーー「読書アシスト」に込められた思いとは?

誰でも特別な訓練もなく最大倍の速度で文章が読める、ということは、

(1)これまでと同じ時間で倍の文章が読める。 
(2)これまでと半分の時間で文章が読める。

ということになり、学習や業務のシーンでの「効率化」になります。 

従って、特に職場での「働き方改革」の大きなポイントにもなると思っておりますので、この無償提供で、まずは多くの方々にご体験いただき、そのお声をお寄せいただくことで事業化を行い、製品としてみなさまにお届けしたいと思っております。

(工程6 完成)

日本ユニシス独自の研究・実証の過程結果によると、「頭に入りやすいと感じた」「どこまで読んだかを見失いにくい」などと、約80%の人が読みやすいと感じたという。

新型コロナウイルスによる感染はいまだに収束する気配を見せない。家にいる時間が増えている今、「読書アシスト」を使い、敬遠していた本に手を伸ばすのもいいかもしれない。

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