帝国データバンクによると、2023年に値上げされた食品は2022年の1.2倍、約3万2400品目に上った。一方で、福島県の調査によると県内の事業所の平均賃金は2023年7月に前年より多くなったが、それ以外は同額か少なくなった。物価高のなかでも、工夫を重ねて出費を減らしている家庭を取材した。
考え方が変わった
福島県大玉村の自宅で、ホットストーンを使った温活サロンを経営する生田目絵里香さん。夫と子ども2人の4人家族。家計を預かる立場で、物価には敏感だ。

「全体的に無駄なものを抑えたいなっていう考え方になって、お金を使うものは一気に変わったかもしれない」と話すように、値上げが相次いだことから、購入するものを厳選し工夫を重ねている。

食器や鍋を洗う前に一拭き
「着なくなった服とかを切って置いている。油ものとか洗う前に拭くと、あまり洗剤も使わないし、水もそんなに使わなくて済むので助かる」と生田目さんは、食器や鍋を洗う前に一拭き。一手間加えて、洗剤の購入額は毎月2000円から600円へダウン。

大容量で柔軟効果のあるものに
さらに「柔軟剤は買わなくなりました」と生田目さん。洗濯洗剤は、量が多くて柔軟効果があるものに変更。柔軟剤を買わなくなって、出費は1カ月2100円から400円に減らせた。
こうした積み重ねで、毎月の日用品代は以前の半分・約5000円に抑えられている。

食費の節約 買い物の仕方を変更
この日は、自宅から約10キロ離れたスーパーに向かった。ここでは肉を購入。どの店で何を買うとお得かを見極め、10日に1回まとめ買いすることで“ついで”の買い物を防ぐ。

多くの種類を揃えていた調味料は、別の物で代用して種類を減らすなどの工夫で、食品が値上がりしても食費はほとんど変わっていないという。

ストレスにならない節約
子どもの習い事や家族旅行などにはお金をかけていて、メリハリのある使い方に変わった。生田目さんは「気づいたら節約できててラッキーみたいな。価値があるものにかけたいなっていう考え方になったので、節約した分をそこにかけられるようになったと思います」と話した。

値上げラッシュ収束!?
帝国データバンクによると、食品主要195社が2024年4月までに1596品目の値上げを予定しているという。これは、2022年の同じ時期に判明していた6785品目の約2割で「値上げラッシュは当面収束する」としている。

節約に成功している生田目さんは、無駄を省いたらゴミも減ったという思わぬ効果も実感していた。お金をかけることろはかけて、節約するところは節約する…メリハリが成功の秘訣かもしれない。
(福島テレビ)