ひもに足を取られたまま激しく羽根を動かす野鳥。SNSに投稿された動画が今、物議を醸している。

防鳥ネットに引っかかる野鳥が続出

問題の映像は茨城・土浦市で撮影された。生産量日本一を誇るレンコンの畑には、12月19日も、投稿された動画とは別の野鳥が同じように足をひもにからませ、もがいている姿があった。

地元住民:
この間も見たよ。気がつけばそうだよね、異質な感じだよね。

羽をバタバタと動かし、もがく野鳥
羽をバタバタと動かし、もがく野鳥
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たびたび野鳥が引っかかっているというのは、レンコン畑を守るため張られた防鳥ネットだ。

農林水産省の調査によると、2022年の茨城県での野鳥による農作物の被害額は約2億8000万円。鳥たちの餌が少なくなるこの時期に旬を迎えるレンコンは特に狙われやすく、対策が必要だという。

地元住民:
結局、一番いいところを野鳥が食べるんだよね。(レンコン農家は)大変じゃないですか?

水深約1mのレンコン畑「助けたくても難しい」

そもそも防鳥ネットは、外から飛んできた鳥がレンコンに近づけないようにするためのものだ。

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しかし、ネットの隙間などから鳥が進入することも少なくなく、飛び立とうとした際に鳥がからまる事故が起きるという。

市や農協は、引っかかってしまった鳥は速やかに救出し、逃がすよう呼びかけているが…。

実家がレンコン農家の女性:
複雑です。娘は助けたくて、助けようとしたこともあるんですけど、引っかかっちゃってうまくとれないから。難しいよね、助けるにも。

レンコン農家の女性:
田んぼ深いから、助けたくても助けられない。

水の中で育つレンコンの畑は、水深約1メートル。畑の中から鳥が引っ掛かっているネットまでの高さは2.5メートルほどあり、助けることができず、そのまま死んでしまう野鳥も少なくないという。

野鳥を救出したレンコン農家の村上さん
野鳥を救出したレンコン農家の村上さん

畑の端っこのネットに引っかかっていた野鳥を救出していたレンコン農家の男性は…。

高嵜れんこん 村上太郎さん:
俺らも生きてくために農家やってるし、だからその辺で共存していくしかないんだよね。

レンコンへの被害を防ぎたい農家と、被害をもたらす野鳥の共存。

市は野鳥が引っかかっていないか週2回、見回りをするとともに、レンコン農家に対して畑をネットで完全に覆うなど、野鳥が入り込まないような対策を呼びかけている。
(「イット!」12月20日放送より)

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